クサイル・アムラの謁見室を入るとすぐ、狩りの場面や樹陰に戯れる裸の浴女たちを
描いた、めずらしい一連のフレスコ画が目につく。 後期ヘレニズムの技法の
流れを汲む様式の中で、画中人物たちは いかにも自由なポーズをとっている。
4人の貴人は往時の支配者たちの肖像と 認められている。一方には ビザンティン
皇帝カエサルと西ゴート最後の王 ロドリゴ、他方には ペルシア皇帝 ホスローと
エチオピア王 ネグス。 ギリシャ語とアラビア語で これらの人物説明を記した碑文によって、
クサイル・アムラの城館は 711年以降、すなわち ワリード治下の建設とされている。