モーリス・ド・ゲラン著 『 ケンタウロス、バッカスの巫女 』1925年、プロン・ヌリ社
上段は エチュイ(函)と、ハードカヴァーのようなシュミーズ(たとう)
下段は ソフトカヴァーのような シュミーズと、折っただけで 綴じてない本文紙。
以前に紹介した通常の大きさの挿絵本と違って、大きめの挿絵本は こうした構成・造本をとることが多い。
つまり、革製本されることを前提にした「仮綴じ本」ではなく、函入りの「無綴じ本」である。
時には、挿絵本でなく、また小型の本であるにもかかわらず、こうした構成をとる場合もある。
前に紹介した、下の『聖家族』(堀辰雄)が そうであるが、これは無綴じ本ではない。
無綴じにするのは挿絵本であって、絵だけを単独に鑑賞したり、額にいれて飾るためである。
『現代の空間』(栗田勇)もそうであったが、しっかり綴じた本は崩れることがないのだから、
本来は シュミーズやエチュイは必要ない。