ヴィオレ・ル・デュク著『建築講話』上・下巻、革装幀の背と表紙 (上巻 1863年, 下巻 1872年)。
今から 140年ほど前の自家装幀で、背と角は濃赤茶色のシャグラン革、平はマーブル紙。
背にはバンドが5本と金線。タイトルは金の箔押しだが、装飾模様の箔押しは無い。
このように 背と角に革を張った形式を、ハーフ・レザーという(仏語では、デミ・キュイール)。
革の種類が わかっている時は、ハーフ・モロッコとか、ハーフ・シャグランとも言う。
ハーフ・レザーを日本語で「半革」と訳していることがあるが、
これだと 革の程度を示しているようで、少々イメージが異なる。
( コーナーの角革(かどかわ)がなく、背まわり のみが革の場合は、クォーター・レザーという。)
こうした 角革を、日本では昔から「コーネル革」と呼んでいる。(Corner を コーネルと読んだのだろう。)


    

ヴィオレ・ル・デュク著『建築講話』、図版編(ATLAS)1863年。
本巻の2倍の大きさの、27.5cm × 36cm(高さも 7mm 高い)。
上巻用 18枚、下巻用 18枚の大型鋼版画 全 36枚を1冊に製本。
この図版編だけが 古書市場に出ていることがある。