ジェイムズ・ファーガスンの 『インドと東方の建築史』 改訂版 (1910)
インド部分はジェイムズ・バージェス、東方部分はリチャード・フネ・スパイアズによって
改訂増補された。 上巻と 下巻の背と、おもて表紙(上下巻とも同一)。 うら表紙は無地。
版元装幀の赤茶色クロス装で、背には金文字箔押し。 天金、他の小口もカット。
おもて表紙には、トーラナのような門架構の図案と タイトルが型押しされているが、
空押しなので目立たない。 この図案は、"The Temples of the Jews" で
金色箔押しされていたフォ-ムを、空押しで再使用。


ファーガスンの "The Temples of the Jews" (1878) の表紙で用いられていた 金の箔押し
この図案はサーンチーのトーラナ(記念門)のアレンジかと思うと、何とヘロデ王が
イェルサレム神殿を大改修した際に建てた門の 想像復元図である。
インド建築で出発したファーガスンは、中東の建築史を考える時にも、
インド的モチーフを思い浮かべてしまったようである。フォームは
鉛製だったのか、出版社のジョン・マリーが製作、保存していたのだろう。