ジェイムズ・ファーガスンの 『インドと東方の建築史』 初版(1876)の詳細
天金をほどこし、背の上下に 花ぎれをつけ、その上にモロッコ革の背を曲げてかぶせている。
この製本は実に丁寧な仕事をしている。この花ぎれは、帯を張り付けているのではなく、
2色の絹糸を編んで作った、手の込んだものである。背には5本のバンドが
区画をしている。クラシックだが、タイトル以外の区画に飾りの箔押しをしていないのは、
モダーンだと言える。上質なモロッコ革で、その シボ(革の目)が美しい。


ジェイムズ・ファーガスンの『インドと東方の建築史』 改訂版(1910)の詳細
版元装幀は布装で、天金は ほどこしているが、花ぎれがない。背の立ち上がり部も薄いので、
ここに手を掛けると傷んでくる。背バンドはなく、フラットな背に金文字を
箔押ししている。表紙とあわせ、全体としては 渋いながら エレガントな装幀である。