Takeo Kamiya, architect
INDO no KENCHIKU
( The Architecture in India )

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Written and Photographed by Takeo Kamiya
1996, Size: 30cm -200pp, Price: 12000 Yen
ISBN4-88591-501-5, Pubsished by Toho Shuppan, Osaka
Telephone : 06-6779-9571, Facsimile : 06-6779-9573

A book showing total image of Architecture in India,
not by historical nor geographical way, but based on 26 Key words
which represent the features of Indian Architecture.
A beautiful book of 435 colour photographs
which were taken by the auther.



< RECOMMENDATION by NOBORU KARASHIMA >

 インド建築の本の中には, 仏教期, ヒンドゥ期, イスラム期といった, 宗教別の構成をとるものが多い. そうでなければ, 北インド建築, 南インド建築といった, 地域的な構成をとっている. その上でそれらは, 歴史的発展の跡を示すように配列されている. それが, これまでの著作の常套である. ところが, 神谷武夫氏の今回の著作は, それらとは大いに異なり, 気鋭の建築家である神谷氏が, インドの大地に築かれてきた建造物を, 自分自身の目を通して, その特性と感じるところを枠組みに, 配列している.

 建築とは, 人間がこの世での生活のために, 心の中でつくりだす造型, とする神谷氏が, 宗教, 地域, 年代といった, 従来の学問的枠組みをとりはらい, 建築家としての感性によって描き出す, インド建築の姿, それが本書である. その試みは, おそらく我々に初めて, 建築を通して, インドの 「全体」 を見せてくれることになるだろう. ヒンドゥ建築やイスラム建築についての, 著作の訳者でもある神谷氏が, 敢えて従来の枠を破って語るインド建築の姿に, 私は大きく期待している.

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< RECOMMENDATION by TERUNOBU FUJIMORI >

人類の建築の歴史を大きく分けるとしたら, 神様と共にあった時代と, 人間だけの時代の二つに分かれるだろう. 日本は, 戦国時代を境に宗教離れを起こし, 世界的に見ても珍しいほど早く, 人間だけになってしまい, 現在に至っている. そして, 鉄とガラスとコンクリートのツルピカ建築が, 街に充満している. それはそれで時代の宿命にちがいないのだが, しかし淋しい. 心が乾く. しかたなく建築界の鋭敏な心は, うるおいを求めて世界各地を, さまようことになるのだが, 建築家の神谷さんの心は, インド建築に漂着した.

バラモン教, 仏教, ジャイナ教の歴史を持ち, そして現在はヒンドゥ教とイスラム教に染めぬかれた, 褐色の大地. この大地から生えた建物の姿に接すると, 神様とともにあるということがどういうことなのか, よく分かる. そしてそれは, 神秘的なことではないのである. 神谷さんは, インドの各宗教の神様観を分かりやすく説明することから始め, その合理的な帰結としての建物の構成, そして細部の意味まで, 読者を誘ってくれる. 誘われた後, 明日からどうしたものかと困惑する読者が現れても, それは知らない. なんせインドなのだから.




< RECOMMENDATION by TETSUO YAMAORI >

芸大を出た architect が, India に魅せられ, Indian architecture の宝石の山に分け入って, 膨大な量の写真を撮った. その迷路をめぐり歩くような India 探訪の中で, 思わぬ発見があいつぐ. まず, Indians は建築物を彫刻をつくるように, 建てたのではないかという発見. ついで, India の主要な建築は石造であるにもかかわらず, 木造的な原理で建てられているという洞察. このような発見や洞察は, これまでの India の美術論や India 建築論においては, みられなかったものではないだろうか.

本書には, このように刺激的で魅力的な仮説が満載されているが, それもそのはず, その成果のすべてが, India を周辺国も含めて 12 times も旅してきた著者の, エネルギッシュな行動力に負っている. また Indian architecture の種々相を, cities, palaces and castles との関連で浮かび上がらせ, 同時に洞窟や山や水辺などの風土と対応させて, 縦横に論じているところも, 類書にはない特色であろう. Indian architecture の洋風化や, 現代建築の世界にまで踏み込んでいるのも, 現実の建築設計にとりくんでいる著者の, 今日的な関心がうかがえて, 興味が尽きないのである.

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< from AFTERWORD by the AUTHOR >

私が初めてインドを訪れたのは, 今から 20年も前のことである. それまでは建築に限らず, 文化について思いをはせる時には, 常に日本と欧米を対比させ, 世界を二元論的に眺めていた. まるで世界が, 欧米と日本だけでできているかのように. それは私一人の話ではなく, たとえば文学であれば, 「世界文学全集」 という名の西洋文学と, 「日本文学全集」 との 2本立てであったし, 絵画であれば, 「世界の名画」 という名のヨーロッパ絵画と, 「日本の名画」 との 2本立てであって, それ以外の諸国の文化は, まったく無視されていた. そして 「世界」 という言葉は, 「欧米」 を意味していたのである.ところが 3ヵ月ばかりインドを旅してみると, そこには日本とも欧米とも, まるで異なった高度な文化が存在したことがわかり, しかも行く先々で出会う, 独特な建築の姿に, 大きな衝撃を与えられたのだった.

それ以来, 世界の本当の姿を知るために, 各地を旅してまわり, 未知の建築文化を訪ねるにつれ, 日本もヨーロッパも, 世界のさまざまな文化の一つにすぎないと悟るに至った. とりわけ目を見はったのは, 広大なイスラム圏であって, 各地の先行文化と融合して, 地域ごとの変化を生みながら, しかし全体として, 確固たる 「イスラム建築」 を打ち立てている姿は, 驚異的であった. それでも私の中心的な探訪の地はインドであり続け, 今までに 12回旅をして, 一回あたりの平均日数は 45日なので, 合計で 540日もインドおよび周辺国を歩きまわったことになる.

その半ばまではインドの刺激を求めての旅であったが, ある時から, インド中の主要な建物の写真を, 全部自分一人で撮影してしまおうという, 無謀な決心をしてしまった. 寒村や山奥にも足をのばすだけでなく, 同じところにも 2度 3度と行っては写真を撮りなおして, 最終的にスライドボックスに整理したスライドの数は, インド国内で 1万 7,000枚, 周辺国までいれると 2万枚におよんでいる. 撮影した建物の数は 2,000を超えているだろう. 建築写真であるから, いつも三脚とあおりつきレンズを携行して, じっくり撮影しようとするのだが, インドではそれが容易なことではない. 田舎の町や村は旅してまわること自体が困難な上に, 撮影をめぐるトラブルはしじゅうであり, 時には警察や軍に連行されたりもした.

それでもこの 20年のあいだに, 日本人の眼が次第にアジアに向けられるようになり, 私が撮りためた写真が, 日の目を見るようにもなった. プロの写真家でもない自分が, このように豪華なカラー写真集を, 出版することになるとは, 思いもよらないことだったが, 南アジアの偉大な建築文化, を少しでも日本に紹介したいという願いが, 少しづつ叶えられることになったのは, 大きな喜びである.

〈悠久のインド〉 といわれた国も, 20年の間にはずいぶんと変わったし, 近年は解放経済のもとで, 日本との関係も深まりつつある. 日本人がインドを訪れたり, その文化に触れたりすることも, 多くなることだろう. 本書がインド文化の理解のために, いささかなりとも役立つことができれば, 幸いである. 出版に協力して下さった方々, そしてインドで親切にしてくれた多くの人々に, 心から感謝したい.

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CONTENTS

Introduction INVITATION to THE INDIAN ARCHITECTURE008
Chapter 1 STUPA020
Chapter 2CAVE026
Chapter 3MOUNTAIN032
Chapter 4WATERSIDE038
Chapter 5CIVIL STRUCTURE044
Chapter 6CITY050
Cahpter 7HOUSE058
Cahpter 8WOODEN TEMPLE064
Cahpter 9BRICK TEMPLE070
Cahpter 10ROCK CARVED TEMPLE076
Cahpter 11STONE TEMPLE084
Cahpter 12MOSQUE092
Cahpter 13MAUSOLEUM098
Cahpter 14CASTLE104
Cahpter 15PALACE112
Cahpter 16PARADISE GARDEN118
Cahpter 17TOWER124
Cahpter 18GATE130
Cahpter 19CLOISTER136
Cahpter 20PILLAR142
Cahpter 21DOME148
Cahpter 22OPENING154
Cahpter 23CARVING160
Cahpter 24PAINTING168
Cahpter 25WESTERNIZATION172
Cahpter 26MODERN ARCHITECTURE178
ConclusionA PASSAGE TO INDIA184

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