CLOISTERS HOUSE
in NAGOYA

TAKEO KAMIYA, Architect



       

BACK       NEXT

中世 Europe の Romanesque monasteries に深く魅せられていた. とりわけ, 回廊で囲まれた patio (cloisters) の魅力を設計に採りいれたいという思いが, 広い敷地のこの住宅で初めて実現した. すべての部屋はこ patio に面し, お互いに視線と声を交わすことができる. 中庭の design には, モロッコ風の islamic garden の性格も加味されている.


A two-story reinforced concrete building / Location : Nijigaoka, Meiyou-ku, Nagoya / Design : Takeo Kamiya architect and associates, September 1986 - March 1987 / Structural design : Suga sekkei / Mechanical Design : Uchiyama engineering / Electrical design : Tanaka setsubi / Furniture : Suruga isho / Construction : Fujiki construction, April 1987 - December / Site area : 427 square meters / Total floor area : 229 square meters / Selected at SD Review / Prize at GID competition / Magazine : "Nikkei architecture" February 1988 / Photographs : Isao Inbe


< ARTICLE IN " NIKKEI ARCHITECTURE " >

水盤 (噴泉) から溢れ落ちる水の音が回廊の巡る中庭に反響する. "人生には辛いこと, 寂しいことがたくさんある. 外界から切り離された中庭の bench に腰掛け, ひとり静かに水音に耳を傾けていれば, 落ち込んだ心も癒されるのではないだろうか".

"住まいには, 人間として成長していく中で, 深く記憶に刻み込まれるような豊かな space が必要だ." と説く設計者, Takeo Kamiya (神谷武夫設計事務所) は, "感覚的な満足だけでなく, 精神的な満足も与えてくれる Romanesque monastery に大きな魅力を感じており, patio を cloisters が囲むその空間構成を, かねてより自分の設計に生かしたいと思っていた".

建主が, さんさんと南の光が注ぐような家を好まず, 穏やかで均質な光を要求したこと, また夫人が, 台所仕事などの家事が孤立することなく, 絶えず children と接していられるような plan を希望したことで, 今回の cloisters ( = 修道院の回廊中庭) は実現した.

___
Left : Looking down at the Patio from 2nd floor terrace
Right : Night view of the Patio with a basin enclosed by Cloisters

Meitou-ku in Nagoya city の高台に位置する敷地は, width 10 meters, depth 38 meters と, 南北に細長い. そのため住宅平面としては, 南北の諸室を西の棟がつなぐコの字形に収められている. 東の隣地境界には, すりガラスの screen をバックに列柱を置くことで, 中庭を回廊が囲んだかのごとく装った.

台所は, 中庭を眺めながらの炊事が行える layout とされている. north wing の children's room の様子をうかがうこともでき, 食堂の吹き抜けを介して 2階の雰囲気も伝わってくる. 家の “核” とも言うべき位置を家事空間が占める plan は, "建主は会社経営者だが, 来客重視ではなく家族の生活を第一に考えていた." (神谷氏) ことから生み出された.

また, 子育てを重視する建主の, "初めから個室を与えるようなことはしたくない. 育っていく過程で自分たちの領域を作るべきだ." との考えから, 3 children は 1室での生活から start し, 成長に伴って余剰の space を奪い取るか, あるいは増築部分への独立を選ぶことになる. 将来は建主の母親が同居する予定もあり, 北の道路側には増築のための space が十分に取られている.

___
Vestibule _________Living room

中庭については, romanesque の修道院のみならず, モロッコの patio の要素も融合されている. 「各国の中庭の写真を見せたところ, 土と緑を残さずに石だけを用いたモロッコの patio が, 建主は大変気に入ったようだった. 食事をしたりお茶を飲んだりといった使い方を期待して, 人工的な環境の中庭を design した (神谷氏).

思い入れが強く反映しているだけに, 設計者自身, my first image がすんなり受入られるとは思っていなかった. だが, 実施案に至るまでには, north wing の span を広げ, 半地下の space を削った以外, ほとんど手を加えていない. "cloisters などは無駄として切り捨てられるのが普通だが, space に遊びのある house が欲しいと願う建主は, 拍子抜けするぐらいあっさりと承認してくれた".

常日頃から具体的な detail にまで思いを至らせていたという神谷氏は, "土地事情が悪いだけに難しいことかもしれないが, 今後もシリーズとして cloister を展開させ, 豊かな空間を提案していきたい" と結んだ.


BACK       NEXT
© Takeo Kamiya
E-mail to: kamiya@t.email.ne.jp