| サスキアの逃走劇と、小型の立体造形群 |

カーテンを這い登ったは 良いが、
本棚の上から、恐くて降りられない サスキア
私の部屋は東向きなので、午前中は陽が当ります。サスキア に日光浴させるために、ケージを大テーブルの上から窓際の床に移します。サスキアが入った状態のケージの重さは4.5キロぐらいあるので、少々不安定な腰つきでケージを移動させたので、扉のフックがはずれて、少し開いてしまったことに 気が付きませんでした。机に向かっていて、ふと上を見ると、前面の本棚の上を リスが歩いています。サスキアはケージから脱走すると、窓のカーテンを這い上がって 天辺まで行き、カーテンレールの上や、隣の本棚の上を歩いたりしていたのです。シマリスを飼っている人なら、へやんぽ の度に見ているでしょうが、私が昔 飼っていたリスも、しょっちゅう カーテンを駆け上がって カーテンレールの上を歩いていました。
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逆立ち状で壁を降りる シマリス(「シマリストーリー」より)
この 高い所に居るサスキアを どうやってケージに戻すか、なかなか 方法が見つからないので、写真など撮っていました。それで 気が付いたのは、机の前面の本棚の上は、コンクリートの大梁(壁から連続して壁紙が貼ってある)まで 16センチしかないので 本は立てられず、音楽 CD を 30枚ぐらい 端に 並べてありますが、あとは 小さな おもちゃのような「立体美術作品」が置いてあり、リスは それらの間を歩き回っています。
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カーテンレールから 本棚の上に移って 歩きまわる サスキア
サスキアの右側の「ルービック キュービック」は 誰でもご存じでしょう。私がこれを買ったのは、初めて日本で発売された 1980年のことですから、今から 45年も前のことです。ルービック キュービックの生みの親は、ハンガリーの建築家の エルノー・ルービック氏で、1977年に「マジック キューブ」の名称で発売すると、ハンガリー国内で 大ヒットしました。1980年には 世界展開をするにあたり、発明者の名前を冠して、『ルービック キュービック』という名称に 変更したのだそうです。 ![]() 立方形の 『ルービック キュービック』 ルービック キュービックは 全体が 単純なキューブ(立方体)であって、造形作品の性格は薄く、あくまでも「パズル」あるいは「ゲーム器」であって、形態を変化させることは 意図されていません。 サスキアの左側にあるのは、私の友人の建築家、土井元昭さんが作った 試作品の 木製 積み木ブロックを使って、 私が立体造形したものです。「土井ブロック」は 10ミリ角と 15ミリ角という、大きさが2種類の立方形で、色も木目も てんでんバラバラなので、意のままの造形はできません。しかも 45度傾けて設置するのが原則なので、『コンポジション』を作るのに ずいぶん苦労をしました。 ![]() 「土井ブロック」を使って 私が作った『 コンポジション 』 これを作ったのは、もう8年ぐらい前のことなので、今は もっと 洗練された「土井ブロック」の システムが 開発されているのかも しれません。
「土井ブロック」の左側には、インドの針金細工が あります。ウェブで検索すると、現在は Wire Toy Mandala(ワイア・トイ・マンダラ)とか、Folding Gold Wire Mandala(フォールディング・ゴールド・ワイア・マンダラ)とか、 呼ばれているようです。私がボンベイで行商人から買った頃には 名前など無かったのですが、本稿では、簡単に「ワイア・マンダラ 」と 呼んでおきましょう。下の写真の サスキアの左側にあるのは 古い(本来の)もので、右側にあるのは 後年の廉価版 (?) で、針金が細く、華奢(きゃしゃ)になっているのが 分かるでしょう。 ![]()
インドの『ワイア・マンダラ』と、サスキア (上部は、壁紙を貼った 梁) 古い、本来のものを買ったのは、私が 初めてインドに旅した 1976年ですから、今から 半世紀も前のことです。10個ぐらい買ったのですが、お土産として 人にあげたりしたので 私のところに残っているのは1個だけで、しかも、だいぶ へたっています。そこで、ネットで見つけた写真群を、ここに転載させて もらいましょう。
![]() インドの針金細工の『ワイア・マンダラ』(ウェブサイトより)
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一瞬にして、球体にも 円筒にも 鼓にも 王冠にもなります。 インドの どこかの 針金細工の盛んな 山地部族のフォーク・アートでしょうが、昔は ボンベイ(現 ムンバイ)を歩いていると、そうしたものを売り歩く行商人が よくいました。わずかな お金で買えるので、荷物にならない程度に 時々買っていました。中には ボンベイの街に 小さな店を構えている商人もいて、そこでの 最も良い買い物だったな と思うのは、次の 部族宗教の神像です。太陽神でしょうか。
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インドの真鍮細工の、山地部族民の 神像(太陽神 ?)高さ 18cm
最後は 部族芸術から一転して、現代の日本の造形作家による、実に見事な立体造形です。
吉本さんが個展「キューブから宇宙へ」を開いて これを発表したのは 1972年のことで、その期間中に 誰かに教えてもらって 見に行ったのか、実費で頒布されていたものを ひとつ買いました。吉本さんに お会いしたかどうかは 覚えていません。
工業製品のようなカチッとした造形物なので、半世紀も古くなった今も、形も 仕上げも 崩れません。ルービックキュービックのように 全体がひとつの立方体になりますが、後者の各面が9分割されるのに対して、こちらは4分割です。これが 金色と 銀色の二つに分離し、それぞれが また 立方体になるのですから驚きです。しかも それぞれが 正三角形を基本とする四面体の連続となり、二つを かみ合せると 平たい直方体になったり、雪の結晶のような複雑極まる、しかも美しい星のような多面体になったり、魔術のように千変万化する 立体造形作品です。
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『ルービックキュービック』との 大きさの比較
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(左)昔の 吉本キューブの、
作者名の入った面
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