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● メキシコ合衆国の首都は シウダー・デ・メヒコ といい、英語に直訳すると シティ・オブ・メキシコ ですが、普通「メキシコ・シティ」と呼んでいます。人口 2.000万というので 東京よりも大都会になりますが、かつてテノチティトランと呼ばれたアステカ帝国の首都であり、「メキシコシティの歴史地区とソチミルコ」がユネスコ世界遺産に登録されているものの、スペインの植民都市として発展したので、14世紀から 16世紀にかけて栄えた アステカ文明の面影はほとんど無く、スペインのコロニアル建築 で埋め尽くされています。
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 17回は『 庭園( バーグ、ジャンナ )』です。 「庭園」は アラビア語で「ジャンナ」、ペルシア語では「バーグ」といいます。庭園芸術はペルシアで大いに発展しましたが、アラビアでは自然条件が厳しすぎるせいか、それほど作られず、むしろ憧れの対象であったので、ジャンナの語は、来世の庭園(楽園)の意で用いられることが多い。東方イスラーム圏にあまねく普及したイスラーム庭園は ペルシアを源流とするので、中央アジアからインドに至るまで バーグと呼ばれます。ムガル朝の創始者 バーブル は インド来住以前に造園した カーブルのヴァファー庭園を なつかしみながらも、インドにおける作庭に 情熱を傾けました。以後の数々の「ムガル庭園」は、イスラーム庭園の代表的存在となります。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの 『庭園 』の項に跳びます。 ( 2023 /11/ 01 )
![]() ● この「お知らせ」欄で、今に 再び「 アラブの忠臣蔵 」が起きるのではないかと書いたのは、4年前の 2019 年4月です。危惧したとおり、この 10月に起こりました。近年増加する、イスラエルによるパレスチナへの 植民と蹂躙、それを容認してイスラエルを軍事支援する アメリカへの反撃です。今回の軍事衝突の きっかけとなった 10月7日の ハマスによるイスラエルへの攻撃について、国連の グテーレス事務総長でさえ、次のように発言しています。 ( 2023 /10/ 26 ABC News )
![]() そこで、「 パレスチナの 吉良邸 討ち入り 」が起こりました。「朝日新聞デジタル」11月10日号で、東京外国語大学の黒木英充教授(中東地域研究)は、次のように語り、米国など主要7カ国(G7)の 二重基準と 偽善・欺瞞(ぎまん)を 指摘しています。
● 第2次大戦における、ナチスによるユダヤ人への迫害と虐殺には 満腔の同情をし、彼らの苦難を描いた映画を 時々紹介してきましたが、そのユダヤ人が イスラエルを建国し、かつて自分たちが被った苦難を、いまでは 自分たちが パレスナ人に対して課しているのには、深い失望と憤りを覚えます。これでは 世界中で、ユダヤ人への共感は薄れるでしょうし、アメリカのバイデン大統領の再選も むずかしくなるでしょう。 ( 2023 /11/ 10 )
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●● この本が、今年の11月に Kindle版 の文庫本になりました。小池 百合子の、エジプトのカイロ大学を 首席で卒業したという「学歴詐称」について、実証的に(証言者の本名を出して)、詳細に語られています。ぜひ ご一読ください。 ( 2023 /11/ 08 )
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● 日本美術史に出てくる絵画作品の中で、私が一番好きなのは 何だろうと考えてみたら、渡辺華山の『鷹見泉石(たかみ せんせき)像』であると、すぐに思い当たりました。狩野派の流れを汲む日本画でありながら、西洋的なリアリズムの画風をもち、そして宗教画のような深い精神性を たたえている傑作です。高校時代の昔から、この絵は深く心に残っています。
2020年に岡田さんが書いた『渡辺華山作「鷹見泉石像」の謎 』を、自費出版を手助けする郁朋社(いくほうしゃ)という出版社から 自費出版で出したようですが、優れた内容ゆえに 第20回「歴史浪漫文学賞 大賞」を受賞したので、全国に配本されて販売され、アマゾンにも出るようになったらしい(1,500円)。探求心と調査力は 経歴からも 来るものでしょうが、文才は若いころからのものだったのでしょう。肩書きでなく、実力で勝負した著者が世に出るのは嬉しいことです。
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●● もう一冊、『 村に火をつけ、白痴になれ、伊藤野枝伝 』(2020,岩波現代文庫)。 どんな社会でも、昔も今も、女は「奴隷」にされてしまう、その最たるものが「結婚制度」であるとして、それを突き破って自由人として生きようとした、日本の エマ・ゴールドマンたる 伊藤野枝の生涯を、栗原康は、これまでないほどに 熱っぽく、思い入れたっぷりに語っています。 ところで「ちくしょう」という言葉は 誰でも一人で つぶやくことがあるのでしょうが、それを文章に書くことは あまり ありません。子供が大きい声で言うと、母親は「ちくしょう」なんて言っては いけません、と 叱るのが常ですが、この本には 学者である著者の「ちくしょう」という言葉が 何十回も書かれています。あゝ 言文一致体も ここまできたか、という感慨を覚える、そんな文体の本です。そのことに嫌悪感を抱かない人であれば、実に面白く、小説のように読める本です。フェミニストにとっては、興味の尽きない本でしょう。 ( 2023 /10/ 01 )
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● 大学を出て企業に就職した若い人たちが、じきに 会社命令で、あるいは 自ら上司に迎合して、素面で嘘をつくようになる姿を見るのは、心が痛むことです。資本主義社会においては、それは避けられないことなのかもしれませんが、それを乗り越えたはずの「社会主義」あるいは「共産主義」の国が 却って、より ひどい「抑圧社会」あるいは「密告社会」になってしまうというのは、もっと やりきれないことです。
●9月8日の深夜(日本時間9日朝)、モロッコ南部 で大地震がありました。震源地は 古都 マラケシュ の近く、70kmの所で、死者は 2,100人を越え、被災者は 30万人といいます。マラケシュには 多くの歴史的建造物があり、特に、多くの高いミナレットなどは、崩壊が危惧されます。地震の詳細は一般報道に まかせるとして、このサイトでは、いくつかの 重要な 建築作品 の写真を 載せておきます。これらが無事であることを 願いながら。 ( 2023 /09/ 11 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 16回は『 旧市街( メディナ、イチャンカラ )』です。 北アフリカのマグリブでは、伝統的な都市は堅固なレンガ造の市壁で囲われていて、市壁には数ヵ所に壮麗な市門があり、都市を完全に閉じることもできました。都市の外枠が固定されていれば、内部は高密度の市街地となるので、これを改造するのは容易でなく、碁盤目状のフランス風 新市街地は 市壁の外側に発展することとなりました。市壁で囲われた旧市街は、都市を意味するマディーナがなまってメディナと呼ばれ、生きた都市でありながら、改造の手が加わらない伝統的な街並みや、イスラーム都市を構成する諸要素が保存されています。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『旧市街 』の項に跳びます。 ( 2023 /09/ 01 )
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● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに映画の DVD の紹介をします。 ![]()
● 『 女の園』1954年(日)監督:木下恵介 (1912 -98)、主演:高峰秀子、高峰三枝子、岸恵子、久我美子,モノクロ・スタンダード、原作:阿部知二 ![]()
● 『 ピアノ・レッスン』1993年(オーストラリア)監督・脚本:ジェイン・カンピオン (1954- )、主演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル,音楽:マイケル・ナイマン ![]()
●『 ヘルプ、心がつなぐストーリー 』2011年(米)監督:テイト・テイラー (1974- ),主演:エマ・ストーン、ヴァイオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー,原作:キャスリン・ストケット ![]()
●『 少女は 自転車にのって 』2012年(サウジ・アラビア・独)監督・脚本:ハイファ・アル・マンスール (1974- ),主演:ワアド・ムハンマド、リーム・アブダラ
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●『 マイ・ブックショップ 』2017年(英・西・独) 監督・脚本:イザベル・コイシュ (1960- ),主演:エミリー・モーティマー、ビル・ナイ,原作:P・フィッツジェラルド
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●『 リトル・ガール』2018年(仏) 監督:セバスチャン・リフシッツ (1968- ),主演:サシャと その母親 (トランスジェンダーについての ドキュメンタリー映画)
( 2023 /08/ 01 )
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● 私は 今から36年前の 1987年に、2週間ばかり アメリカに フランク・ロイド・ライト の作品の撮影旅行に行きました。ライトの作品はアメリカ全土に散在しているので、2週間では とても 見たいもの全部を訪れることはできず、また ラーキン・ビルや ミッドウェイ・ガーデンズのように、今は存在しないものもあるし、 ジョンソン・ワックスの研究棟は当時は閉鎖されていました。いつかまた タリアセン・イーストや ベス・ショロム・シナゴーグ、ウィングスプレッドの住宅なども見に アメリカを旅行しようと思っていましたが、それも 実現しなかったので、1987年に撮影した写真のみをスキャンして、『フランク・ロイド・ライトの建築』というサイトを作っておくことにしました。 ここをクリック すると、不完全ではありますが、新設の『 フランク・ロイド・ライトの建築 』のページに跳びます。 ( 2023 /07/ 01 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 15回は『 宮廷地区( カスル、カーフ、サライ )』です。 宮殿というのが 各地の王侯貴族の住居であるのに対して、宮廷というのは 首都における君主の生活と政務の場であり、それをとりまく廷臣や君主の妻妾、それらに仕える人びとの集団を言います。イスラームの宮廷が発展し 組織を整えたのは、アッバース朝の時代です。宗教と政治と軍事のすべての権力を併せもった ハリーファ(カリフ)の宮廷には、それぞれの機能に応じた さまざまの施設が必要とされました。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『宮廷地区』の項に跳びます。 ( 2023 /06/ 01 )
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● 前回の「世界建築ギャラリー」では、昔『ストーンテリア』第6号に書いた「タンクとハンマーム」をHP に掲載したことがないことに 気がつき、再録しましたが、今回は それに次いで、『ストーンテリア』第7号に書いた「アレッポの石の家」に加筆し、写真の数を増やして、「イーワーンのある 中庭住居群」として 再録しておくことにしました。 ここをクリック すると「世界の建築ギャラリー」の サイトの 『 アレッポ の中庭住居群 』の項に跳びます。 ( 2023 /05/ 01 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 14回は『 城塞( カルア、カスバ、アルク )』です。 イスラーム圏で 戦闘に備えた防御設備を主とする施設は、呼び名も内容も時代や地方によってさまざまですが、英語のキャッスル(城)にあたるのが カサバ、シタデル(城塞)にあたるのが カルアと考えるとわかりやすい。イスラーム圏では地域の守備のために山上に城郭を建てる というようなことが少なく、概して 都市との関わりのなかで設けられました。イスラームの城塞(カルア)というのは 単に軍事的な施設であるだけでなく、その中に都市機能を含み 住民をかかえる、言わば「都市の中の都市」です。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『城塞』の項に跳びます。 ( 2023 /04/ 01 )
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● 「雑誌や本への寄稿」を整理して、「プロフィール」欄に年代順に載せていたら、昔『ストーンテリア』第6号に書いた「タンクとハンマーム」は、HP に掲載したことがないことに 気がつきました。「イスラーム建築の種別」の第8回「 浴場(ハンマーム)」の もとになった記事ですが、これに加筆し、写真の数を増やして、「世界建築ギャラリー」のサイトに入れておくことにしました。 ここをクリック すると「世界の建築ギャラリー」の サイトの『 タンクとハンマーム 』の項に跳びます。 ( 2023 /03/ 01 )
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● 「 神谷武夫のプロフィール 」のページの一番下に、いくつかの新聞記事や 寄稿 などのことを載せてありましたが、ふと それを見て、もう少し多く載せるべきだなと思い、いくつかを書き足したら、あれも入れよう、これも入れよう と次第に増え、ついには 今まで種々の雑誌や本に寄稿したものを、すべて整理して 年代順に並べることにしたら、これは 大変な仕事になりました。まさか こんなに数が多かったとは 思いませんでした。 ここをクリック すると「神谷武夫のプロフィール」の ページの『 雑誌や本への寄稿 』の項に跳びます。 ( 2023 /02/ 01 )
●● 年末の12月28日に 建築家の磯崎新さんが 91歳で亡くなったと思ったら、新年は1月24日に インドの最もよく知られた建築家 バルクリシュナ・ドーシが 95歳で死去しました。20年前にアフマダーバードでドーシさんに会った時、磯崎さんへの親近感を語っていたものでした。
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今回は 欧米とアジア諸国の 多様な映画を6本、 制作年度順に並べます。 ( 2023 /01/ 01 )
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●『 プロヴァンス物語、マルセルの夏 』1990年(仏)監督:イヴ・ロベール (1920-2002),主演:ジュリアン・シアマーカ、フィリップ・コーベール、ナタリー・ルーセル、ディディエ・パン,原作:マルセル・パニョル ![]()
●『クイーン 』2006年(英)監督:スティーヴン・フリアーズ (1941- ),主演:ヘレン・ミレン(女王役)、マイケル・シーン(首相役) ![]()
●『 武士の家計簿 』2010年(日)監督:森田芳光 (1950-2011),主演:堺雅人、仲間由紀恵,原作:磯田道史『武士の家計簿、加賀藩御算用者の幕末維新』(新潮新書) ![]()
●『 アルゴ 』2012年(米)監督:ベン・アフレック (1972- ),主演:ベン・アフレック,原作:アントニオ・J・メンデス ![]()
●『 金子文子と朴烈(ぼく れつ)』2017年(韓) 監督:李濬益(イ・ジュニク, 1959- ),主演: イ・ジェフン、チェ・ヒソ、キム・インウ、キム・ジュンハン ![]()
●『 幸福路のチー』ON HAPPINESS ROAD 長編アニメーション,2017年(台湾) 監督・脚本:宋欣穎(ソン・シンイン, 1974- )
( 2023 /01/ 01 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 13回は『 水利施設( カナート、ノリア、サビール、チェシュメ )』です。 イスラーム圏は 降雨量の少ない亜熱帯地方に広まったので、生命の源としての水の確保は 為政者に課せられた最重要の課題でした。住民や戦士への飲料水の供給がなければ 都市も聖戦も成立しないし、農業用水が確保されなければ 作物は生育せず、国家の税収入が得られません。したがって 都市も農村も 完全な砂漠では成り立たず、河川や 地下水のあるオアシスに発展しました。それでも夏の乾燥期には 水が不足するので、カナートや 貯水槽や 水車や 給水所など、さまざまな 水利施設が工夫されたのです。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『水利施設』の項に跳びます。 ( 2022 /12/ 01 )
● 『古書の愉しみ』の第 56回は、坂本健一 の『 麻謌末(マホメット)』です。 前回の『コーラン經』を翻訳した文学士、坂本蠡舟(れいしゅう)こと 坂本健(本名 健一)は、ムハンマドの伝記である『 麻謌末 (マホメット) 』も書きました。帝大卒業の翌年です。簡素な本ですが、19世紀最後の 1899年 (明治32) の出版で、今から 123年前の本です。 少年向けの「世界歴史譚」全36冊の内の 第6編で、博文館の出版、北 蓮蔵による 見開き挿絵9点を含みます。他の巻では 横山大観、下村観山、中村不折なども挿絵を担当した、偉人・英雄の伝記シリーズで、著者には高山樗牛、上田敏、柳田国男などがいました。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のディヴィジョンの『 麻謌末(マホメット)』のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /11/ 01 )
●● 日本の国力 が、どんどん落ちています。国力を示す指標は、その国の 通貨 の価値です。黒田が 2013年に日銀総裁に就任してから9年の間に、円は5割も弱くなりました。ドル換算で、90円 だったものが、今や 135円 です。外国から物を買うのに(食料や燃料や原材料を買うために)5割も多く支払わねばならなくなりました。日本の製品は、5割も安く買い叩かれます。途上国に同じ10億円を援助しても、感謝される度合いは5割減です。
●● 『 朝日デジタル 』の記事 9月3日 16時00分
●● 1ドルが、ついに 145円に なりました。このまま行けば、日本は破滅します。
![]() ![]() 植木等 著 『夢を食いつづけた男』2018、ちくま文庫 評判の『仏教の大東亜戦争』を読みました。本の帯には 「なぜ 仏教は 国民を ”殺生”に 駆り立てたか」とあります。 著者の鵜飼秀徳 (1974- ) は ジャーナリストであるとともに、浄土宗 正覚寺の住職でもあるそうです。僧職者自身が 仏教界の最大のタブーに挑んだ、勇気ある著作です。たとえば 本の 119ページには、次のように書かれています。 「戦時中の仏教界の軍事支援は、「銃後運動」という間接的支援だけには留まらなかった。「はじめに」でも少し触れたが、宗門が主体的に、強力に戦争に関わった事例が、零(ゼロ)戦をはじめとする 軍用機、あるいは 軍艦の献納だ。仏教者が 殺戮の道具である兵器を造って納めることに、当人たちは何の罪悪感も持っていなかった」 その次のページには、それぞれの教団が国に納めた 戦闘機の種類や台数などの表があります。曹洞宗、日蓮宗、天台宗、浄土宗、臨済宗、西本願寺、四天王寺、真言宗、浄土真宗本願寺 などが こぞって戦闘機を奉納し、真宗大谷派では なんと、軍艦建造のための多額の献金(一期だけでも、現在の金額に換算して25億円以上)を献金したという。日本の仏教が、「宗教」とは言えないところまで腐敗堕落した姿を、完膚なきまでに 調査、記録した書です。 ただ この本の終わり近くには、戦争に協力しなかった 稀な仏教僧侶たちが 紹介されています。その一人が、『スーダラ節』や『無責任一代男』などを歌った歌手・コメディアンの植木等(うえき ひとし 1926-2007)の父親、植木徹誠(てつじょう 1895-1978)です。この「反戦僧侶」について植木等が書いた父親の伝記『夢を食いつづけた男, おやじ徹誠一代記』(1984) も読んで(古い本ですが、知らなかったので)たいへんに 面白く、また感心しました。
![]() ところで、このHPの「古書の愉しみ」のサイトには、第42回として『原爆体験記』を採りあげて 載せてあります。ところが そのページは、何年も前から、グーグルや ヤフーで検索できなくなっています。いろいろ調べて推測したところ、次の部分のせいだろう とわかりました。 「この 原爆体験記の小冊子が出版されようとした時、原爆を投下して広島と長崎の数十万人の市民(非戦闘員)の命を奪うという「戦争犯罪」を犯したアメリカは、それを、戦争を終わらせるために必要だった と言って正当化し、原爆のもたらす悲惨さを最大限 包み隠そうとしていたため、GHQ(連合国軍総司令部)すなわち日本を占領する「進駐軍」は この小冊子を「反米的」として、すでに印刷・製本が できあがっていたにもかかわらず、これを配布させず、出版禁止処分にしたのでした。」 つまり、アメリカによる原爆投下を「戦争犯罪」と書いていることが、「検閲」の対象となったようです。アメリカ大使館からの圧力でしょうか。 ( 2022 /10/ 17 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 12回は『 種々の施設(タキーエ、ハマーム、ジャンタル・マンタル )』です。 イスラーム圏に建つ建物を すべてイスラーム建築と呼ぶなら、建築種別は なお多岐にわたります。ここでは、ややマイナーな種々の施設を概観しておきます。 修道場(ハーンカー)のことを トルコ語では テッケと呼びますが、テッケ あるいは、もとのアラビア語の タキーヤ(テキーエ)という呼称は、もっと幅広く用いられました。根本はスーフィーの修行所であっても、それぞれの教団(タリーカ)によって さまざまの機能が 付加されたのです。オスマン朝最大の君主スレイマンは、ダマスクスに シナンの設計で「スレイマンのテッケ」を建てました。これは修道場としてよりも、マッカへの巡礼の出発地における 巡礼宿としての機能が主でした。こうした巡礼宿としてのタキーヤも各地に建てられました。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『種々の施設』の項に跳びます。 ( 2022 /10/ 01 )
●● 神谷一博(かずひろ)という人がいて、その人が自分の住所と電話番号を 私のものと同じにして、世の中に公表しているらしい。 一昨日、近くの郵便局の配達課から 私に電話があり、私のところに 神谷一博という人が同居していないかどうか と訊かれました。 そんな人は いないし、知り合いにも いないと答えると、その人宛てに、私の住所で小包が届いているというのです。 郵便局が不審に思い、差出局のほうに連絡をとりました。 差出局が 差出人に問い合わせたところ、受取人の電話番号は こうだから、そこに電話してほしい と言われたらしい。で、連絡を受けたこちらの郵便局が その番号にかけたところ、私の家に かかってきた というわけです。
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 11回は『 市場(バーザール、スーク、チャルス )』です。 イスラーム圏では モスクの周囲に店舗群が伸びて 市場を形成するのを常とします。市場のことを ペルシア語でバーザール、アラビア語でスーク、トルコ語でチャルシュと言います。バーザールの語は最も広く用いられ、都市近郊の農家の人々が 野菜や果実を広場に持ち寄って開く定期市から、建物に固定された屋内市場にいたるまで バーザールと呼ばれます。スークの語は どちらかというと屋根つきの店舗街をさして用いられることが多いようです。日本の駅前商店街に屋根がかけられると アーケードと呼ばれることが多いですが、スークがその元祖だと言えましょう。日本では 雨を避けるのが主目的であるのに対して、スークでは 日除けが主なので、モロッコでは よしずやテントのような屋根をかけることも多い。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『市場』の項に跳びます。 ( 2022 /09/ 01 )
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● 今月は夏休みなので、新しい記事は ありません。 そのかわりに 映画のDVDの紹介をします。 特にテーマはありませんが、バラエティに富んだ映画を6本です。 映画の制作順に並べます。 ( 2022 /08/ 01 ) ![]()
● 『 終電車 』1980年(仏)監督・脚本:フランスワ・トリュフォ (1932-84),主演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、ハインツ・ベンネント ![]()
●『 東京裁判 』1983年(日)監督:小林正樹 (1916-96),ナレーター:佐藤慶,音楽:武満徹,企画・製作:講談社,2018年 デジタルリマスター版、DVD2枚組 ![]()
●『 雲南の少女、ルオマの初恋 』 2002年(中国)監督:章家瑞 チアン・チアルイ (1958- ),主演:李敏 リー・ミン、ヤン・チーカン ![]()
●『 Tomorrow パーマネントライフを探して 』2015年(仏) 製作・監督:シリル・ディオン (1978- ) 共同制作:メラニー・ロラン、(ドキュメンタリー) ![]()
●『 彼らが本気で編むときは、』2017年(日) 監督・脚本:荻上直子, 1972- ),主演: 生田斗真、柿原りんか,桐谷健太 ![]()
●『 沖縄 うりずんの雨 』2019
年(日) 監督:ジャン・ユンカーマン (1952- )
( 2022 /08/ 01 )
![]() ● 私はテレビを見ませんし、テレビ受像機も持っていませんが、フジテレビというのは、視聴率のために ずいぶんと いかがわしいこともするTV局だという噂は よく聞きます。今回、それを実際に体験しました。 ● 昨年(2021年)の 9月6日に、テレビ番組の制作をしているという、トリックスターの川中子という人から メールが来ました。 「この度、弊社にて BSフジ『日本史の新常識7』という番組を制作しており その中で今回、杉本鉞子を取り上げることとなりまして、 神谷さまのサイト内の 杉本鉞子『武士道』の画像をお借りしたく思いご連絡させていただきました。 http://www.kamit.jp/15_kosho/28_etsu/etsu.htm こちらを テレビ番組で使用させていただくことは 可能でしょうか?」 と問われたので、 「可能です。」 と、メールで返事をしました。 ● しかし、どの画像を、どのような条件で、どのように使いたい という連絡が来ると思っていましたが、いつまで経っても 何も来ないので、結局 使うのをやめたのだろうと思っていました。 ところが、それから半年後の 2022年(つまり今年)、3月17日に、トリックスターの吉留という人から突然 次のようなメールが来たので、たいへん驚きました。 「番組制作会社トリックスターの吉留(ヨシドメ)と申します。今回、BSフジ「日本史の新常識 第7弾」が4月16日(土)に再放送が決定致しました。前回の放送で神谷様から提供して頂いた武士の娘の画像を再度使用したくご連絡致しました。再放送の際に、申請の手続きなど必要になりますでしょうか。」 ● 翌日私は、何がなんだか わからないので、ともかく
「どういう使い方をしたのかわかりません。 とだけ、返事をしました。 というのは、本の場合でも ウェブの場合でも、通常、無断で使用されても、出典さえ書いてあれば、容認することにしているからです。 ● 5日後の3月22日になって、トリックスターの吉留からメールが来ました。
「前任者(川中子)に神谷様との画像提供に関するメールを確認致しました。画像の使用許可は頂いておりましたが、出典表記の確認の際、神谷様からご返信がなかったので、出典表記を無しで放送を致しました。
また画像の使用方法としましては BSフジ スペシャル番組「日本の新常識 第7弾」の番組MCである歴史学者 河合敦先生が海外で活躍した日本人として杉本鉞子様を紹介したく番組で取り上げさせて頂きました。 ● 私に使用許可をもらったとか、画像を提供してもらった、などと デタラメを言い、いったい、いつの放送で使ったのかさえ 書いてありません。 やむなく翌3月23日に、次のような返事をしました。
「私は、トリックスターの川中子さんから、
「神谷さまのサイト内の杉本鉞子『武士道』の画像をお借りしたく思いご連絡させていただきました。
http://www.kamit.jp/15_kosho/28_etsu/etsu.htm
こちらをテレビ番組で使用させていただくことは可能でしょうか?」
と訊かれて、「可能です。」と答えましたが、何かを許可した覚えは、まったくありません。 ● すると3月24日、今度はトリックスターの宮麻美(みや あさみ)という人から、次のようなメールが来ました
「私、番組制作会社(株)トリックスターの宮と申します。弊社の川中子、吉留の両名より画像使用に至るまでの経緯報告を受けご連絡をさせて頂きました。 ● これは「著作権の侵害」です。犯罪行為 です。たとえ下請けの会社が製作したとしても、放送責任は、制作依頼と内容チェックをして 放送した テレビ局にあります。同日の 私の返事は、 「BSフジという会社の、本件に関する責任者と担当者の連絡先(名前、住所、電話番号)をお知らせください。」 ● それから4日たった3月28日に(じっくり フジTVと相談していたのでしょう)トリックスターの宮からメールが来ました。
「 先日ご連絡頂きました放送局の責任者の名前や連絡先を提示する件ですが、当企画は放送局より業務委託を受けている弊社(トリック スター)の制作物であるとことから、弊社が神谷様へ誠意をもってご対応をさせて頂く次第でございます。 ● それから10日以上経っても、何の連絡もありません。フジテレビというのは、いつも こういう番組作りをしているのでしょう。誤った放送をすれば、全て下請けの会社の責任にして、自らは何の責任もとらず、謝罪もせずに、知らぬ顔をしているのでしょう。ちょうど 政治家が悪いことをしても、すべて秘書がやったことで、自分は何も知らないと、ほおかぶりするのと同じです。フジTVは、娯楽番組だけでなく、報道番組でも同様のことをやっていると思われます。フジTVの報道番組など、絶対に 信用してはいけません。 ( 2022 /04/ 08 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 10回は『 公共施設 複合体(キュリエ)』です。 イスラーム圏においては、住民の福祉のための公共施設の建設が 中世から盛んでした。学院や病院、公衆浴場や隊商宿、市場や救貧院、水路や給水所など、市民が社会生活を営むうえで不可欠の施設が、他のどんな文明よりも 多く見られます。キリスト教では 教会が学校や病院を併設することがありましたが、イスラームには教会制度がないので、モスクが そうした施設の出資者となることはありません。では 何が かくも多くの施設を可能にさせたかというと、それは ワクフ と呼ばれる 寄進制度 です。王侯貴族に限らず、個人の資産のある人なら誰でも、その私財や収益を 慈善的目的に用いるために 一種の財団を設立し、私権を永久に停止、放棄することができました。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『公共施設 複合体』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2022 /07/ 01 )
●● ウクライナ 頑張れ! ●● ゼレンスキー大統領 頑張れ!
この事変は、プーチンの死をもって終わるほかない ような気がします。
というのは、日本政府は「力による一方的な現状変更を許さない」と、いつも言っていますが、かつて中国や朝鮮で 大々的にそれをしたのは 日本です。 ロシアがウクライナでやっているような、中国・朝鮮民衆への大殺戮・虐殺もしました。 それについての謝罪の心をもたず、戦前の日本の行為を正当化しようとする日本政府・自民党の姿勢・意識は、現在のロシアと似たようなものです。
● 『古書の愉しみ』の第55回は、大川周明 の『 回教概論 』と『 古蘭 (コーラン)』です。日本で最初にイスラーム教の詳しい概説書を書いたのは、大アジア主義者で、大正、昭和時代における右翼の巨頭、大川周明だと聞いたら、誰でも意外に思うことでしょう。大川周明 (1886-1957) というのは、前回の「古書の愉しみ」で書いた東海散士(柴四朗)と 思想的、政治的に目指したところが似ていますが、年代的には 散士よりも35年ほど後の人で、東海散士が明治を体現したような人であるのに対し、大川周明は 大正時代から昭和戦前に多岐な活動をし、影響力の大きな著作をした人でした。「東京裁判」を生き延びた戦後の晩年には、若き日の志向を再燃させて イスラーム研究にうちこんだのです。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のディヴィジョンの「『回教概論』と『古蘭』」のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /06/ 01 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第8回は、『 浴場(ハンマーム) 』です。 イスラームの都市や建築に欠かせない要素に、浴場があります。身体の清潔を重んじたイスラームでは、とりわけ礼拝の前に体を浄めるべきことを『クルアーン』は繰り返し説いていて、それは モスクの中庭の 浄めの泉 となりました。浴場の施設は、ムスリムが征服していった 古代ローマ領地の各地に見出し、その方式を採り入れたと考えられます。大規模なもののほかに、色ガラスを嵌めたトップライトがちりばめられた小規模なドーム屋根の並ぶ ハンマーム は、スペインからインドまで、ハンガリーから中国まで いたる所にあり、イスラーム諸国では 今も銭湯として使われています。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『浴場』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2022 /04/ 01 ) ![]()
●● ピアニストの 原 智恵子 (1914 -2001) と言っても、知る人はあまり多くないでしょう。私も ほとんどまったく知りませんでした。彼女は天才的ピアニストと謳われて13歳でフランスにわたり、パリ音楽学校のピアノ科を首席で卒業し、1937年に日本人として初めてショパン国際ピアノコンクールに出場して「特別聴衆賞」を受賞、ヨーロッパと日本で多くのリサイタルを行いました。しかし日本の音楽界からは無視され、締め出されて、もっぱらヨーロッパで活躍。中年になって、カザルスと並ぶ世界有数のチェリスト、ガスパール・カサド と結婚、「デュオ・カサド」として世界中を演奏旅行しました。
● 今回の「古書の愉しみ」第 54回は、初めて「和本」を採り上げます。手彫りの「木活字」(もっかつじ)で 和紙に印刷し、糸で「和綴じ」にした、今から 130年以上前の、明治時代の本です。しかも、見開きの細密な 石版画(リトグラフ)が 全部で 40枚も挿入された「挿絵本」でもあります。木活字の書体も美しく、主に 西洋古書を紹介してきた「愛書家」にとっても、なかなかに 魅力的な古書です。ずいぶん長い章になりましたが、 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のディヴィジョンの『 佳人之奇遇 』のページが、別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /03/ 01 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第7回は、『 隊商宿(キャラバンサライ、ハーン) 』です。 かつて シルクロードに代表される交易路が、イスラーム圏各地を 網の目のように結んでいました。鉄道のできる以前、大量の荷を積んで長途の旅に耐える動物は、まずラクダ、そしてラバ、馬でした。盗賊団から身を守るために、護衛つきの 数十頭から数百頭の隊伍を組んだ隊商(キャラバン)は 一日に平均 30キロを行進します。町と町の間には、彼らが安全に宿泊できるよう、30キロおきに 隊商宿(キャラバンサライ)が必要でした。また、終着点の都市内のものは、「ワカーラ」や「フンドゥク」とも 呼ばれました。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『隊商宿』のページが、別のウィンドウに開きます。 ( 2022 /02/ 01 ) 新型コロナ感染者の死者も、1日で 322人となりました。
狂言 「鉢叩(はちたたき)」より ( 2022 /02/ 23 )
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今年は 大晦日の夜から バッハの『フーガの技法』を聴きながら
● 年の初めは 新しい記事の代りに、映画のDVDの紹介です。 今回は 異色の内容の映画を6本。 制作年度順に並べます。 ( 2022 /01/ 01 ) ![]()
●『ブラック・ムーン』1975年(仏・伊)監督・脚本:ルイ・マル (1932-95) ,主演:キャスリン・ハリスン、ジョー・ダレッサンドロ、テレーズ・ギーズ ![]()
●『 SHOAH ショア』1985年(仏)製作・監督・編集:クロード・ランズマン (1925 -2018) , DVD 4枚組, 全567分 ![]()
●『 コーリャ 愛のプラハ 』(チェコ)1996年,監督:ヤン・スヴェラーク(1965- ),主演・脚本:ズデニェク・スヴェラーク,原案:パヴェル・タウセック ![]()
●『 アフガン零年 』(アフガニスタン・日本・アイルランド)2003年,監督・脚本:セディク・パルマク Siddiq Barmak,主演:マリナ・ゴルバハーリ ![]()
●『 潜水服は蝶の夢を見る 』2007年(仏) 監督:ジュリアン・シュナーベル (1951- ) 主演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、原作:ジャン=ドミニック・ボービー『 潜水服は蝶の夢を見る 』(1998 講談社) ![]()
●『 92才のパリジェンヌ 』2015年(仏) 監督・脚本:パスカル・プザドゥー (1970- ) 主演:サンドリーヌ・ボネール、マルト・ヴィラロンガ、原作:ノエル・シャトレ ( 2022 /01/ 01 )
● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第6回は、前回の『聖者廟』と対をなす 『 王侯の廟(クッバ、グンバト ) 』です。王侯の廟は国家の記念造営物ともなり、潤沢な予算と有能な建築家の手によって、高度な建築作品 へと昇華します。本来のイスラーム建築の内向性や皮膜的建築の性向に対して、中央アジアからインドにおける 外観重視の建築 への欲求が、東方イスラーム圏における廟建築の大発展を もたらしました。ティムール朝の『グーリ・アミール廟』や ムガル朝の『フマユーン廟』、そして『タージ・マハル廟』と、幾多の傑作を生みました。これらは二重殻ドームで作られ、モニュメンタリティを いっそう強めています。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『王侯の廟』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2021 /12/ 01 ) ![]()
● 大学を出て企業に就職した若い人たちが、じきに 会社命令で、あるいは 自ら上司に迎合して、素面で嘘をつくようになる姿を見るのは、心が痛むことです。資本主義社会においては、それは避けられないことなのかもしれませんが、それを乗り越えたはずの「社会主義」あるいは「共産主義」の国が 却って、より ひどい「抑圧社会」あるいは「密告社会」になってしまうというのは、もっと やりきれないことです。
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● こういう事件が起きて、新聞やテレビで連日大きく報道されることによって、「設計事務所」のイメージが 世の中に定着していくのです。 建物施設の設計は「建築家」に依頼するものだという認識には なりません。「建築家」という言葉は 一言も出てきません。 設計をするのは「設計会社」であり「設計業者」であると。 そして「営利業者」である「設計会社」は 不正や悪事にも加担するものだと。 いったいこの国では、いつまで「建築家」という倫理的な プロフェッション の確立に反することばかりを しているのでしょうか。 いつまでも、設計事務所が 株式会社に なっているのは おかしい と 認めないのでしょうか。・・・ 詳しくは、本 HP の、『 あいまいな日本の建築家 』を お読みください。 ( 2021 /10/ 10 )
● 2018年に 丸善出版から、翌年の 2019年秋に出版する予定の『 東欧文化事典 』(編集代表:羽場久美子・青山学院大学教授)という本に、標記の原稿を依頼されました。翌年春に原稿を送りましたが(マフィアによる妨害も あったりして)、編集は遅れに遅れ、編集担当者も交替し、本の題名も『 中欧・東欧文化事典 』と変更になり、2021年9月になって、やっと本ができたようです。しかし執筆者は大勢なので、出版社としては 一人一人に本を支給することは できないと言います。「抜き刷り」さえも 送ってきません。雀の涙ほどの原稿料よりも はるかに高い値段の本を買う気はないので、私は まだ本の現物を見ていません。私の原稿の内容は、この HP上の『 東欧のイスラーム建築 』のダイジェスト版といった趣の 短文ですが、『世界のイスラーム建築』のサイトの「イスラーム建築の名作」のディヴィジョンに載せておきます。 ここをクリック すると『イスラーム建築の名作』のディヴィジョンの中の、「ブルガリアのイスラーム建築 」のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2021 /10/ 01 ) ![]() ● 今から8年前(2010年)に、新しい 椅子 を買いました。自宅と事務所をひとつに まとめた後なので、できるだけ多用途で安楽な椅子をさがし、結局 オカムラ(昔は岡村製作所といった)の、黒革の エルシオ ERCIO にしました。最後の椅子と思ったので 金を惜しまず (?)、20数万円だったと思います。重いことと、座に シワ ができてしまうこと以外は、まあ満足していましたが、今年になって重大な故障がおきました。それは、背もたれ が、前に倒れてしまうのです。「不良品」をつかまされた結果だったのですが、オカムラは その責任をとろうとしません。 ここをクリック すると「無責任企業・オカムラ」のページにとびます。 ( 2018 /12/ 14 )
●● とうとうオカムラの椅子「エルシオ」を処分し、新しい椅子を購入しましたので、そのことを付け加えました。 ここをクリック してください。 ( 2021 /07/ 19 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第4回は、『 修道場(リバート、ハーンカー) 』の項です。修道場の起源と考えられるのはリバートで、イスラームの大征服時代に、征服地を統治するための 軍営都市(ミスル)が建設され、前線には 信仰の戦士が 異教徒との聖戦(ジハード)を遂行するための砦が築かれました。戦士と軍馬のための こうした砦を 北アフリカでは リバートと呼び、ローマの駐屯都市に倣って、半円形の櫓を並べる 強固な壁で囲った中庭型の建物としました。修道場が より鮮明に宗教施設となるのは、スーフィズムの発展に負っていて、それぞれの教団(タリーカ)が 修道場を設けるようになります。これをアラビア語で ザーウィヤ、ペルシア語で ハーンカー、そしてオスマン朝のトルコでは テッケと呼びました。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『修道場』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2021 /09/ 01 )
● 新型コロナが猖獗(しょうけつ)をきわめ、感染者が 連日1万人を超えるというのに、自民党・公明党政権は 国民の命よりも オリンピックのメダル獲得競争といった 愚行を重視して、世論の反対を押し切ってまで、連日 お祭り騒ぎをしています。いったい 彼らの頭は どうなっているのでしょうか? 腐りきっているのでしょうか?
●● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに映画のDVDの紹介をします。今回は欧米の古い映画3本と、アフリカを舞台にした映画を3本です。映画の制作順に並べます。 ( 2021 /08/ 01 )
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●『 わが谷は緑なりき 』1941年(米)監督:ジョン・フォード (1894-1973),主演:ウォルター・ピジョン、モーリン・オハラ,原作:リチャード・レウェリン
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● 『 秘密と嘘 』1996年(英)監督:マイク・リー (1943- ) 主演:ブレンダ・ブレッシン、マリアンヌ・ジャン=バプティスト,カンヌ国際映画祭で パルム・ドール受賞。
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●『 アメリ 』1998年(仏) 監督・脚本 : ジャン=ピエール・ジュネ (1953- ) 主演:オドレイ・トトゥ, マチュー・カソヴィッツ, セルジュ・メルラン、音楽:ヤン・ティルセン。
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●『 ホテル・ルワンダ 』2004年(英・伊・南ア・米)監督・脚本:テリー・ジョージ (1952- ),主演:ドン・チードル、ソフィー・オコネドーニック・ノルティ
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●『 インビクタス・負けざる者たち 』2009年(英・伊・南ア)監督:クリント・イーストウッド (1930- ),主演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン
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●『 女を修理する男 』2015年(ベルギー) 監督・脚本 : チエリー・ミシェル (1952- )
( 2021 /08/ 01 )
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● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの 第3回は、『 学院(マドラサ、メドレセ ) 』の項です。イスラームの教育機関には初等教育を受けもつ「クッターブ」と、高等教育を担う「マドラサ」があり、マドラサ(学院)はクルアーン諸学やハディース学の学習と研究を主としながら 種々の学問をする、ヨーロッパで発達する 大学に相当するものでした。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『学院』の項が、別のウィンドウに出ます。 ( 2021 /07/ 01 )
![]() ● この HP の『 原術へ 』のサイトに収録した3つの論文のうち、「 文化の翻訳 ー 伊東忠太の失敗」が、韓国語に翻訳されました。 韓国のフリーランスの建築エディター、李 仲鏞 (LEE JOONG YONG) さんが、常々私と同じように、「アーキテクチュア」に「建築」という訳語をあてはめることの不適切さについて悩んでいたので、私のサイトを見つけて「文化の翻訳」を読み、大いに共感したそうです。 そこで これを韓国語に翻訳して、韓国の建築家や建築学者に読んでもらおうと、決心したのでした。 李さんは日本への留学経験でもあるのか、実に日本語に堪能で、インターネット翻訳機も利用しながら、私の論文を1フレーズづつ、丹念に翻訳して、両者を併記したのです。 実に素晴らしい。 多少 日本語に通じた 韓国の建築関係者には、非常に便利なことと思います。 韓国の学生さんたちは、韓国語の部分だけを通読して、「アーキテクチュア」という言葉の 正しい意味を知ってくれることでしょう。 もちろん、建築に関する 韓国と日本の 制度の違い がありますから、100パーセントは理解できないかもしれませんが。 ここをクリック すると 韓国語訳のページ に とびますので、興味のある方は ご覧ください。 ( 2021 /06/ 10 )
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● 私家版『イスラーム建築』は、今でも たまに、頒布用の在庫はないかと 問い合わせをもらいますが、もうありません。しかし その内容の半分くらいは、『世界のイスラーム建築』のサイトの どこかで読めます。それでも 第4章の「イスラームの建築種別と その集合体」は、HPに載せたことがありません。まとまって見られるようにすれば、本をお持ちでない方には 便利だと思いますので、『世界のイスラーム建築』のサイトに そのディヴィジョンを作って、本の項目順に載せていくことにしました。最初は「住居(ダール、バイト)」の項です。
ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの『住居』の項に とびますので、興味のある方は ご覧ください。 ( 2021 /05/ 03 )
● 机の引き出しの中の古い書類を整理していたら、今から十数年前に 坂本庸生さんという方から送ってもらった、猫 についての ネット上の個人雑誌「トンシー記念日」のプリントが出てきました。そこに、坂本さんに宛てた 私の手紙が転載されています。ごく ささやかな「猫の思い出」が書いてありますので、下に写しておきます。
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● 『アルメニアの建築』のサイトから、前回のハグパト修道院に続いて、 ゲガルド修道院 も「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンに単独で扱うことにしました。 ハグパト修道院 と並んで、アルメニアで最も重要な修道院建築で、ユネスコ世界遺産に登録されています。「アルメニア中部の建築」の章では12点の写真を掲載していましたが、大幅に増大させて33点にします。 ここをクリック すると「世界建築ギャラリー」のディヴィジョンの『ゲガルド修道院』のページが 別のウィンドウに開きます。 ( 2021 /03/ 01 )
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今年も 大晦日の夜から バッハの『マタイ受難曲』を聴きながら
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●『 尼僧物語 』1958年(米) 監督 : フレッド・ジンネマン (1907-97) 主演:オードリー・ヘプバーン、ピーター・フィンチ,原作:キャスリン・ヒュウム。
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●『 シベールの日曜日 』1962年(仏) 監督・脚本 : セルジュ・ブールギニョン (1928- ) 主演:ハーディー・クリューガー、パトリシア・ゴッジ,原作:ベルナール・エシャスリオー(『ビル・ダヴレーの日曜日』)。
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●『ローズマリーの赤ちゃん』1968年(米) 監督・脚本:ロマン・ポランスキー (1933- ) 主演:ミア・ファーロウ、ジョン・カサヴェテス,原作:アイラ・レヴィン。
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●『(ハル)』1995年(日) 監督・脚本 : 森田芳光 (1953-2011) 主演:深津絵里、内野聖陽、戸田菜穂,音楽:野力奏一。
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●『 海の沈黙 』2004年(仏) 監督・脚本 : ピエール・ブートロン (1947- ) 主演:ジュリー・ドラルム, トマ・ジュアネ, ミシェル・ガラブリュ。
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●『 フーガの技法 』Die Kunst der Fuge, BWV 1080,2007年11月 録音・録画(独) ( 2021 /01/ 01 )
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