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マグリブの建築 第2章 「 アルジェリアの建築 」 |

● 『マグリブの建築』の第2章は、「 アルジェリアの建築」です。アルジェリアは マグリブ諸国の中では一番大きいですが、国土の大半がサハラ砂漠なので、史跡があるのは 北部の地中海寄りの部分のみと言えます。チュニジアの カイラワーンに相当するのは、古都 トレムセンで、多くの歴史的建造物があります。私がマグリブ地方を旅したのは 1991年と 2008年との2回で、旅日記には、「アルジェリア人というのは、皆 親切で、陽気で、好い人達だ」と 書いてあります。
1回目は 比較的平和な国情の時期だったので、 アルジェの エッサフィール・ホテル(格調の高い4ッ星ホテル、朝食付き 2,800円)に安く泊まって 安楽でしたが、この年 政府軍とイスラム主義者たちの衝突が始まり、翌年の 1992年には内乱状態になったというから、危ないところでした。 ここをクリック すると「世界のイスラーム建築」のサイトの、『 アルジェリアの建築 』のページに とびます。 ( 2026 /02/ 01 )
山上徹也のこと
山上徹也さんが奈良地裁で無期懲役の判決を受け、弁護側は それを不服として大阪高裁に控訴しました。手製の銃で撃たれた安倍晋三前首相が死去したということさえ除けば、山上徹也 (1968- )は たいへん良いことをしたのだと思います。彼の行動がなければ、ジャーナリズムは動かず、それまでどおり、自民党と統一教会の関係(とりわけ岸信介と安倍晋三の果たした役割)について 見て見ぬふりをし続け、私を含む国民は 何も知らされず、自民党は 統一教会とベッタリの関係を 今でも続けていたろうし、統一教会の被害者や2世たちには 何の救いの手も さしのべられなかったろうからです。
私が山上徹也の名前を聞く時、それに重なるように思い浮かべるのは、朝鮮の安重根(あん じゅうこん) (1879-1910) です。彼は 1909年(明治 42年)に ハルピン駅頭で日本の首相、伊藤博文を銃で撃ち、死に至らしめました。朝鮮は日本の植民地にされ、ずいぶん ひどい目にあわされました。それは今月書いた、アルジェリアとフランスの関係と同じです。それを世界に知らしめ、朝鮮人民を奮起させるために、安重根は行動したのでした。日本政府は ただちに彼を 死刑に処しましたが、朝鮮の人々は 彼の営為を称え、「愛国義士」や「独立の英雄」として崇めました。
朝鮮人が 安重根の行動をたたえたように、統一教会の被害者や2世たちは、山上の行為に感謝していることでしょう。しかし 彼らも、言論人たちも、絶対に「殺人」を容認するような言説はできず、 沈黙するか、心の中でそう思っているだけでしょう。
ブラウザの Microsoft Edge(エッジ) では、生成AI の Copilot(コパイロット)のキャラクターの、ミカという名の 狐(らしい)と「チャット」をするための、ChatGPT のサムネールが、ヘッダーの右端にあります。年号調べでも どんな質問にも 即座に答えてくれるので、大変便利にしています。
そこで、山上徹也と安重根について、単なる質問ではなく、チャットしてみました。だいぶ長くチャットしたあと、私の「論議」の内容を 短い論説にまとめてみてほしいと言ったら、すぐに 次のような、簡にして要を得た論説に してくれました。なるほど、AIというものは すごい進化をとげているのだなと、実感しました。その日本語の能力(平均的日本人以上に、正確で きれいな文を書ける)には驚嘆するし、ネット上のあらゆる記事や言表を 瞬時に収集し、すばやく論理的に組み立てるのは、神業のようです。
これだと、学生さんたちが 授業のレポートに大いに使うだろうし、卒業論文や 博士論文、大学教授の論文にさえ 利用されるでしょう。インターネットの出現を、真の「情報革命」と観じましたが、AIの進歩は、真の「知能革命」ということに なるのでしょうね。
次の、狐のミカ さんが 私に代わって作成した論説に、私は一切 手を入れず、そのままに写します。私の言ったことを基にした、論の構成にも、文体にも、論理構造にも、文句はありません。もっと長い論文にしてほしいと言えば、即座にやってくれることでしょう。 ( 2026 /02/ 05 )
沈黙の受容史
── 安重根と山上徹也に見る“可視化”の構造
暴力は決して肯定されるべきではない。しかし歴史を振り返ると、暴力的事件が 社会の盲点を露わにし、隠されていた構造的問題を可視化する 契機となることがある。行為そのものの是非とは別に、社会が その事件を通じて 何を知り、何を自覚したのかという「受容の歴史」は、冷静に検討されるべき領域である。
安重根の行為は、朝鮮民族が 長年受けてきた苦難を象徴化し、民族意識を刺激し、世界に「朝鮮問題」を可視化した。行為の道徳的評価は 立場によって大きく分かれるが、彼の行動が 歴史の表面に“民族の受難”を押し出した という点は否定しがたい。
同じ構造は、山上徹也の事件にも見られる。彼の行為が なければ、統一教会の被害、自民党との癒着、岸信介・安倍晋三の果たした役割といった問題は、今なお 社会の暗部に沈んだままだった可能性が高い。事件以前、主要メディアは これらの問題に ほとんど触れず、政治も動かなかった。事件後、初めて統一教会問題は 全国的な議論となり、宗教2世の苦難が 社会問題として認識され、法制度の見直しが進んだ。
ここで問われるべきは、行為の正当化ではない。問うべきは、なぜ社会は この事件を契機にしか動かなかったのか という構造の問題である。統一教会の被害者や 宗教2世の中には、事件をきっかけに 自分たちの苦しみが初めて理解された と感じる人もいるだろう。しかし彼らは 公に語ることができない。暴力を肯定する言説は 許されず、言論人もまた 沈黙を強いられる。こうして「心の中では 理解されているが、口には 出せない」という “沈黙の受容” が生まれる。
安重根と山上徹也は、動機も 立場も 歴史的文脈も まったく異なる。しかし、社会が 彼らの行為を通じて 隠された構造的問題を自覚した という点において、両者の「功績」には 構造的な類似がある。それは 暴力の肯定ではなく、社会が何を見ようとせず、何を見せられたのかという、受容史の問題である。
サスキアの近況( 2026 /01/ 01 )
うちの 生後9ヵ月のシマリスは「女の子」ですが、サスキアという優雅な名前を付けてあげたにもかかわらず、「不良少女 モニカ」ならぬ「不良少女 サスキア」になりました。なにしろ、何でも かんでも 引っくり返そうとする「秩序紊乱者(びんらんしゃ)」です。彼女の生活に欠かせない「トイレハウス」まで、引っくり返そうとします。この前は とうとう 引っくり返してしまって、中のトイレ砂を半分くらい、下の掃除用引き出しに 落としてしまい、掃除人を泣かせました。再び やられることを防ぐために、L型の透明プラスチックの衝立(ついたて)を トイレハウスと ポケットベッドの間に立てました(Lの下の部分にトイレハウスを載せて 重くして)。これで一安心というわけではありません。不良少女の鼻息は たいへん荒いので、いつ、衝立もろとも、鼻で押してトイレハウスを引っくり返してしまうか 分かりません。
次は、何を狙っているのだろうか
サスキアが タイガー化した時に ハンモックの上の方に、布を食いちぎって 大きな穴をあけてしまいましたが、このごろは その穴から ハンモックの裏側に顔を突っ込んで、食べ物の 隠し場所にしています。しかも 今度は、あろうことか、ポケットベッドの柔らかい毛を、むしり始めたのです。毛糸の手袋が ボロボロにされたように、ポケットベッドの運命も 風前のともしびです。幸い これは安価なので、買い替えは楽ですが、自分の寝場所を寒くして どうする。
最近も、爪とぎステップ(軽石)の 留め具の部分のまわりを掘って 齧ってしまったので、もうケージに留められなくしてしまったので、買い直さねばなりません。
でも、彼女の心性は、善良な一面も 持っているのです。10月に タイガー化しましたが、ごく短期間で終わりました。『君の名はサスキアだ』に書いたように、「お迎え」した翌日に プラケースを脱走した彼女に、食べ物と間違えられて、右手の指を3回も ガブリと噛まれてしまいましたが、それ以後は、今に至る8カ月の間、私は サスキアに一度も 噛まれたことがありません。
今では 毎朝、自由に「へやんぽ」をさせているので、ケージやトイレハウスの掃除をしている 私の手元をウロチョロしたり、私の体に登ってきたり、机の上の 私の手の上を歩いたりするので、噛みつく機会は いくらでもあるのに、噛みつきません。私を「食べ物をくれる おじさん」と 認識して、思いやってくれるのです。へやんぽ の時にも、台所で 流しより下を歩き回って、キッチンペーパーを抜き出したりしますが、流しより上の、色々なものが乗っている棚に 飛びつくことはしません。へやんぽは 30分か 40分で済ませて、 ケージに帰ってくるし、オシッコはトイレハウスの中でします。3回噛まれた時には「極悪リス」だと思いましたが、今では なかなか「愛(いと)おしい シマリス」サスキアです。
ただ、私が サスキアを手のひらに乗せようと、ヒマワリの種を いくつか 手に載せて差し出すと、サスキアは 手のひらに 乗ってはくるのですが、そこで食べずに、あっという間に それらを「ほお袋」に いれると、よそに行ってしまいます。これを、「食い逃げサスキア」と呼んでいます。
私は毎朝 朝食に、トーストと紅茶(3杯)それに 果物を食べます。一番好きな果物は「柿」です。それも「種無し柿」は(去勢しているので (?) 柔らかく ヌルッとしていて)好まず、もっぱら(男性的なシャキッとした)堅い「富有柿」が好きで、冬の間(11月から2月)は 50年来、毎朝 富有柿を食べます(私は 冬柿 の宛て字だと思っていたので、昔から「ふゆがき」と言っていますが、「ふゆうがき」と読むのが正しいらしい)。その一切れを、朝食後 サスキアにあげると、私にとっては ほんの小さな一切れでも、リスにとっては 結構大きいので、両手で持って 食べ切るまでに 時間がかかります。それを、3杯目の紅茶を飲みながら 眺めて楽しむのも、私の日課です。
サスキアは 乾いた食べ物が好きなようで、クルミや ピーナツのような ナッツ類を 一番 好みます。果物も好きですが、パイナップルやスイカのような、汁気の多い果物は あまり好みません。私が与えた果物の種類は まだ あまり多くないですが、リンゴと 柿は サスキアの好物で、毎朝 続けて 富有柿をあげても、ハンモックの上で おいしそうに食べます。柿には ビタミンC が多く含まれるので、美容にも良いのです。

分別のない行動の故、いつのまにか 右脚上部に、
ケガの跡らしいものが できている(円形脱毛症では なさそう)
ところで、不思議に思っていることがあります。 サスキアに果物を与えると、よく、最後の ひと口を 残してしまいます。最初のうち、この果物は 好きでないのかな と思ってしまいましたが、いつのまにか、それが無くなっているので、時間をおいて 食べているのだと 分かります。時々、その姿も見ます。果物の種類を問いません。一体 なぜ、柿でも、リンゴでも、パイナップルでも、ひと口だけ(と言っても、リスにとっては 5~10
口になりますが)残しておいて 後で食べたりするのか、貯食するわけでもなく、「ポイ捨て」でも ないので、「謎の行動」です。それが シマリス一般の、よくある習性なのでしょうか? 不良少女だから、というわけでも ないでしょうが。
もっと前から 心配していたことは、サスキアが電気配線を齧って、感電死してしまわないか、ということです。この部屋( 12畳くらいの広さの LDK )には、パソコンやオーディオ機器を始め、電気器具が山ほどあって、それぞれ電源につないでいるので、配線器具だらけです。それらを全部、「へやんぽ」している サスキアに噛まれないように 金属の被膜をするというのは、不可能と思われます。ですが、本当に、シマリスの飼育書などに書いてあるほど、危険なことなのだろうか、という疑問をもち、パソコンで、Google に、
「シマリスの前歯(切歯)は、通電しないのではないか?」
と質問してみました。すると、次のような回答がありました。
「はい、その通りです。シマリスだけでなく、げっ歯類全般の 前歯(切歯)は、主にエナメル質という 電気を通さない(絶縁体である)硬い物質で覆われているため、通電しません。エナメル質は 人体で最も硬い組織であり、歯の表面を保護する役割があります。電気を通さない性質を持つ物質としては、ガラスやゴムなどに似た 特性を持っています。
したがって、シマリスが もし電気コードを かじったとしても、感電することはない と考えられます。彼らが 電気コードをかじるのは、歯が一生伸び続けるため、摩耗させて 長さを調節する必要があるからです。」
これを読んで ホッとしました。昔 3ヵ月飼っていたリスも、現在8ヵ月飼っている サスキアも、電気コードによる事故を起こしたことは ありません。サスキアが老齢になって 口の回りが弱くなったりするまでは、今のままでも 良いのではないか と 思われます。もっとも、コードを噛まれたら 電気器具のほうには 故障が起きるかもしれないので、コード類には「ビターアップル」を スプレーしています。 ( 2026 /01/ 01 )

(左)先月 作りかけた巣には 不満な点があるらしく、ティッシュペーパーを くわえて、新しく作っている巣に 引っ越しを している。
(右)新しい巣の上から 外の様子をうかがう サスキア

今年は 大晦日の夜から、バッハの『 フーガの技法 』を聴きながら
新年を迎えました。ユーチュ-ブで聴ける、オランダ・バッハ協会の演奏です。
● 年の初めは 新しい記事の代りに、古い映画の DVD の紹介です。
今回は 様々な国を舞台にした映画を6本、
制作年度順に並べます。 ( 2026 /01/ 01 )

●『 グランドホテル 』1932年(米)監督:エドモンド・グールディング (1891-1959), 主演:グレタ・ガルボ、ジョン・バリモア、ジョーン・クロフォード,原作:ヴィッキー・バウム
今から 92年も前に制作された映画です。主演の グレタ・ガルボ (1905-90) と言えば 戦前のハリウッド大女優で、その人気は 飛ぶ鳥も落とす勢いでした。日本でも 戦前の文学者の映画談義を読むと、彼女の名前が しばしば出てきます。しかも戦争中の 1941年に 35歳の若さで映画界を引退してしまい、2度と映画に出ることは無かったので(42歳で引退してしまった原節子より、もっと ひどい)、私などにとっては「伝説的女優」でしかありませんでしたが、廉価のDVD が出ていることを知り、買い求めました
。この映画は世界的に大ヒットして、第5回の アカデミー賞・最優秀作品賞を受賞し、以後、「グランドホテル形式」と言われる 同工異曲の映画が 沢山作られました。

● 『 ワンダフル ライフ 』1998年(日)監督・脚本・編集:是枝裕和,主演:ARATA、小田エリカ、由利徹、内藤剛志、寺島進、香川京子、谷敬
1995年に独立第1作として『幻の光』を撮って注目を集めた 是枝裕和監督が、第2作として監督、脚本、編集をした『 ワンダフル ライフ 』は 最近になって見たのですが、とても面白かった。死者が天国へ旅立つ前に、閻魔王ならぬ サラリーマン風の職員達から、「自分の人生の中から 一番大切な思い出」を選ぶように 強いられます。それらが 職員達によって映像化 され、死者はそれだけを持って、天国へ旅立つのです。その死者たちと職員達との葛藤の中に、観者の思い出も蘇えります。演者たちは皆 優秀で、古い荒れ果てた仮収容所 (?) の姿も 興味深い。

●『 ル・アーヴルの靴磨き 』2011年(フィンランド・仏・独)監督:アキ・カウリスマキ (1957- ),主演:アンドレ・ウィルムス、カティ・オウティネン
監督の アキ・カウリスマキは、もっと後に『世界で一番 しあわせな食堂』を撮ることになる ミカ・カウリスマキ監督の弟です。そちらもまた、『ル・アーヴル』と同じように 荒唐無稽で調子のよい、ご都合主義のストーリーですが、その、兄の作品に負けずに 心の温まる、珠玉の一編の「おとぎ話」映画です。フランスの港町の ル・アーヴル市で 靴磨きをする マルセルは、妻のアルレッティと仲良く暮らしていますが、妻が難病にかかっていることを発見します。そんな時、彼は 密航者の少年 イドリッサと出会い、家に匿(かくま)うのです。果たして 彼らに、神の助けは あるのでしょうか。
予告編は こちら 。

●『 1917 命をかけた伝令 』2019年(英・米)監督・脚本:サム・メンデス (1965- ),主演:ジョージ・マッケイ、ディーン・チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング
第一次世界大戦 の只中の1917年に、ドイツ軍の罠に嵌められそうになった英軍は、前線の誤った作戦を中止させて 兵士たちの命を救うべく、ブレイクとスコフィールドという2人の上等兵に、その 伝令 の役を命じます。果たして2人は、戦場の危険の中を突破して、任務を果たすことができるのでしょうか。下級兵士の眼からの 戦場の姿が 実によく描かれた「戦争映画」です。戦場の つかの間の休憩に、森の中で 一人の兵士が、疲れ切った兵士たちに歌を歌うシーンが印象的です。映画『いつか、きっと』(2002) の中で、ドイツのカウンター・テナー、アンドレアス・ショルの歌で流れていた『我は さすらう 貧しき異邦人』です。
"Wayfaring Stranger" Andreas Scholl, Decca, 468 499-2

●『 マイ スモール ランド 』2022年(日・仏)監督・脚本:川和田恵真 (1991- ),主演:嵐莉奈(あらし りな)、奥平大兼(おくだいら だいけん)、アラシ・カーフィザデー
在日クルド人の少女 17歳のサーリャが、在留資格を失ったことを きっかけに自身の居場所に葛藤する姿を描いた社会派ドラマ。上記の是枝裕和監督率いる 映像制作者集団「分福」の若手監督・川和田恵真(かわわだ えま) が商業映画デビューを果たし、自ら書き上げた脚本を基に映画化しました。サーリャは クルド人の家族とともに 故郷を逃れ、幼い頃から日本で育ちました。現在は 埼玉県の高校に通い、同世代の日本人と変わらない生活を 送っています。大学進学資金を貯めるために アルバイトを始めた彼女は、東京の高校に通う 聡太と出会い、親交を深めていきます。そんなある日、難民申請 が不認定となり、一家が在留資格を失ったことで、サーリャの日常は一変します。自身も5カ国のマルチルーツを持つモデルの嵐莉菜が、映画初出演にして 主演を務めます。彼女は 日本のタレントにしてモデルであり、母親が 日本人とドイツ人のハーフで、父親は イラクやロシアにルーツを持つ 元イラン人で、今は日本国籍を取得しています。 川和田監督もまた、イギリス人の父と日本人の母という、ミックスルーツを持っています。予告編は こちら 。

●『 フーガの技法 』2023年 (?) (オランダ)音楽監督:佐藤俊介 (1991- ),演奏:オランダ・バッハ協会(Netherlands Bach Society)
4年前のこの欄に、劇映画のDVDではなく、ベルリン古楽アカデミーによる、バッハの『 フーガの技法 』の演奏会を撮影したDVD を紹介しました。今回は同じ『 フーガの技法 』ですが、DVDではなく、「ユーチューブ」の1時間半にわたる 録音とその演奏風景の映像です。 「オランダ・バッハ協会」というのは 1921年に創設されて 100年の歴史をもつ、世界最高の古楽演奏団体ですが、2018年に それまでの代々の指揮者に代わって、コンサートマスターの 佐藤俊介 (1984- ) が 音楽監督に就任し、自らヴァイオリンを弾きながら 、10年間、指揮者なしで メンバーを牽引しました (2013~2023年) 。
彼がこの室内楽団のために新しく編曲した『 フーガの技法 』の演奏を ユーチューブ で聴いて、非常に驚いてしまいました。最初の「コントラプンクトゥス 1」が、楽器ではなく、4人の 声楽ソリスト(ソプラノ、アルト、テナー、バス)によって歌われるのです(もちろん 歌詞は ありません)。以降は 人声も楽器のひとつとして 室内管弦楽団に加わり、曲ごとに種々の楽器の組み合わせによる 四声部の演奏として、廃墟に近い 修復された古聖堂(多分 ロマネスク) の中で、舞台もなく 聴衆もいないところでの 素晴らしい演奏が、中断無しに1時間半、広告も入らず 放送・放映されます。頂部に「人頭彫刻」のついたヴィオラ・ダ・ガンバ などの古楽器が見られるのも 楽しい。こちらをクリック して ご覧(お聴き)ください。オランダ・バッハ協会は、「All of Bach(バッハのすべて)」と称するプロジェクトを興し、順次 バッハの 1080曲の全曲演奏をして、そのすべてを「ユーチューブ」で一般公開しつつあります(現在 350曲以上が終了)。
( 2026 /01/ 01 ) .

● 『マグリブの建築』の第1章は、「 チュニジアの建築」です。チュニジアは マグリブ諸国の中では一番小さく、特に隣の広大なアルジェリアに比べると、国土面積は その 7パーセントぐらいですが、国土の半分が地中海に面した肥沃な土地なので、古来 多くの都市が栄え、大モスクや リバートをはじめ、歴史的建造物も 数多い。とりわけ 古都の カイラワーンは、その宝庫と言えます。 ここをクリック すると「世界のイスラーム建築」の HP の『 チュニジアの建築 』のサイトに とびます。 ( 2025 /12/ 01 )
サスキアの近況 (2025 /12/ 01)
● 1ヵ月前の「サスキア日誌」に書いたように、サスキアを2、3日に1度、自由に「へやんぽ」を させているせいか、あまり 天井格子を齧らなくなりました(齧ると 私に怒られも するので)。へやんぽ をしても、今では 15分~30分で ケージに戻ってきます。その間にトイレ掃除やエサの補給、水の取り替え、一番下の引出しのゴミ捨て、などをします。幸いなことに、サスキアは タイガー化も せず、噛みつきも しません。 11月24日には、初めて 私の 右手の 手のひら に乗って、ヒマ種を食べました。
私が 初めて、「 サスキア、へやんぽ だよ! 」と言って 扉を開け放した時には、それまで 私のスキをついて 脱走ばかりしていたサスキアは 驚いて、固まって しまいました。 私が「 さあ 」と 促すと、おずおずと 扉口の方に歩いてきます。 さらに促すと、ピョンと 部屋に跳び出ました。 リスが おずおずと歩くなんて、初めて見ました。

サスキアの、ある日の へやんぽ
● 寒い冬に備えて、ハムスター用の「あったか ポケット ベッド」を 置きました。 シマリスには もう少し奥行きが長いと ベターですが、ふかふかで暖かいので、サスキアは 巣箱で寝るのをやめて、ここで寝るように なりました。取付用の紐が 付いていますが、嚙み切られてしまうでしょうから 使わず、一番後ろを2ヵ所、ケージの縦格子に 安全ピンで とめました。サスキアは この安全ピンを齧ろうとしますが。
あったか ポケット ベッド ミニアニマン 398円
巾 12cm × 奥行き 20cm、アクリル
ポケット ベッドに入る サスキア
手前の手袋は 片方しか置けなくなりましたが、サスキアは ポケットベッドを好んで、もう 手袋には 潜(もぐ)らなくなり、当初の意図どおり、単なる 柔らかくてフラットな 床面に なりました。
● ところで、サスキアは ごく たまに、「キュルル、キュルル」と 声高く鳴きますが、何かを訴えて いるのでしょうか? ヒマ種をあげると、鳴きません。 体の不調を訴えているのでなければ、もっと たびたび鳴いてくれると、嬉しい (3回だけの鳴き声は、こちら)
。

● サスキアは10月初めに「タイガー期」に入ったようです。しかし あまり派手ではなく、一段落して 10月末に落ち着いた状態になりました。そこで、今まで随時 書いてきた「サスキア日誌」を集成して 日付順に並べ、「神谷武夫のプロフィール」のサイトにおける「思い出シリーズ 」の1編、「サスキア日誌」(集成)として 記録しました。今年の6月から10月まで(サスキアの生後3ヵ月目から8ヵ月目まで)の「成長記録」と言うよりは「ドタバタの記録」となっています。今回 新たに書き加えた「サスキア日誌」は、10月 10日からのものです。興味のある方は こちらをクリック して お読みください。 ( 2025 /11/ 01 )
● 『世界のイスラーム建築』の西端をなす マグリブ地域のイスラーム建築を紹介するサイトです。イスラーム帝国が バグダードを中心として、東はウズベキスタンから西はスペインまで、長大に領土を広げました。そこで 首都のバグダードより東方を「マシュリク」(日が昇る所)、西方を「マグリブ」(日が没する所)と呼びました。マグリブ地方という名称は 現在まで用いられ、通常 チュニジア、アルジェリア、モロッコを指し、時にリビアと、イスラーム時代のスペインまでを 含めます。 ここをクリック すると「世界のイスラーム建築」の HP の『 マグリブの建築 』のサイトに とびます。 ( 2025 /10/ 01 )
● また 首相が変わることになりましたが、報道機関が世論調査をして、今一番の問題は何かと国民に尋ねると、必ず「物価高」だという 調査結果が出ます。物価高の始まり、原因は「円安」にあります。ところが どの政党も このことに触れません。円が高く振れると 大企業 の利益が落ちることを 気づかうからです。私が この「お知らせ」欄に 次の意見を書いたのは、3年前の 2022 年6月 21日で、昨年の4月27日に多少書き加えて 再録しましたが、今また ここに 再録 します。 ( 2025 /09/ 15 )
日本の国力が、どんどん落ちています
国力を示す指標は、その国の 通貨 の価値です。黒田が 2013年に日銀総裁に就任してから9年の間に、円は5割も弱くなりました。ドル換算で、90円 だったものが、今や 135円 です。外国から物を買うのに(食料や燃料や原材料を買うために)5割も多く支払わねばならなくなりました。日本の製品は、5割も安く買い叩かれます。途上国に同じ10億円を援助しても、感謝される度合いは5割減です。
日本の国力が5割も落ちたということです。最近の物価上昇の、大きな原因です。コロナのおかげで あまり外国旅行ができませんが、今 旅行に出れば、9年前の5割も高くつくのです。安倍元首相の経済政策は とっくに破綻しているということです。それなのに、黒田 は「家計の 値上げ許容度が高まっている」などと言って 平然としています。円安 を喜ぶのは 大企業だけです。
どんな組織も、トップが長期間 居座っていると、まわりはイエスマンばかりになり、政策変更ができなくなります。黒田総裁は、一刻も早く 退陣すべきです。こうしている間にも、日本の国力は どんどん落ちているのです。参院選を前にした野党の どれひとつとして これを主張しないのは、情けない限りです。 ( 2022 /06/ 21 )
黒田は 2023年春まで 10年間も 日本銀行の総裁に居座り、4月9日に やっと 植田和男(東京大学名誉教授)に交代しました。これでやっと 為替が正常化 されるかと思いきや、植田は 黒田の政策を踏襲するばかりで、1年間にわたり、円の価値を いっそう落してゆき、ついに この4月26日には 一時「1ドル= 160円」にまで下落しました(何のために 総裁を代わったのか 分かりません)。
2022年に始まった急激な円安によって 原材料や 燃料や 食料の 輸入価格が高騰し、それが物価の急上昇を引き起こし、そこから 連鎖反応 による諸物価の上昇が 次から次へと続きました。日銀が 「超円安 」を野放しにしているので、物価上昇の 悪循環 は 留まるところを知らず、国民が 生活難を訴えても、植田は 平然として、「基調的な物価上昇に大きな影響を与えていない」などと言って、何の手も打ちません。これでは 黒田と 何の変りも ありません。 なぜ、こんな人を 黒田の次の総裁に 選んだのでしょうか? 不可解です。 日本の国力は 衰えるばかりです(日本の 国際的発言力は 半減し、ロシアや 北朝鮮にさえ バカにされています)。
この絶望的状態を 是正できるのは 首相だけなのに、岸田もまた 何もしません。自民党の「裏金問題」ばかりでなく、この国のシステムは、すべてが 劣化、衰亡しているのでしょう。
(1ドル= 120円 以下に 戻すべきです。 そうしよう という 意志も 能力も 無いのなら、さっさと 辞任してほしい。) ( 2024 /04/ 27 )
現在、次の 自民党総裁の選挙に、小林鷹之、茂木敏充、林芳正、高市早苗、小泉進次郎の5人が立候補していますが、その中の誰一人、物価高対策として「円安是正」を主張しません。バカばかりなのでしょうか? ( 2025 /09/ 25 )
サスキア日誌 (2025 /09/ 21)
● テラコッタ・トンネルだけでは、サスキアの足の爪が 十分には 削れないようなので、補助用として、軽石の「爪とぎステップ」を、給水ボトルの上の方に 取り付けました。テラコッタ・トンネルの 2/3ぐらいの大きさなので、横たわることは出来ませんが、巣箱の屋上から飛び移るのに ちょうど良い位置なので、サスキアは よく乗っています。

爪とぎステップ(MINORITY DESIGN)750円
軽石、幅 6.5 cm × 長さ 7.8 cm × 高さ 2.6 cm
● 毎日、ヒマワリの種を 10個、ケージの小窓をあけて 直接 あげていたら、ある日 サスキアが そのすきに 部屋へ跳び出してしまって、ケージに戻すのに 少々難儀をしましたので、以前のように ヒマ種を ケージの格子の間から与えていました。『シマリス完全飼育』の本だったと思いますが、それをやっていると リスが ケージを齧(かじ)るようになるので、やめたほうが良い と書いてありましたが、サスキアは そんなことは あるまいと 高をくくっていました。そうしたら 今月初めに、実際 そうなってしまったのです。
横向きになって、ケージの縦棒をつかんで 齧る サスキア
● ケージの置いてある大テーブルで 私が朝食の支度を始めると、いつも サスキアは大騒ぎして「自分にも くれ」と、ケージ内を跳びまわり、回し車を 勢いよく回し、水を飲み、ケージの格子に両手でつかまって ガシガシと齧ります。果物の一片をあげると、あとは おとなしくしているのですが、昼にヒマ種を与えている時にも、こちらが 少し ゆっくりしていると、次を催促して ケージを 齧ります。このごろは 巣箱の上に立って、脱走意欲の表れか、天井の格子を齧るようになったので、そこには 重い本を置いて それを遮り、ケージ越しに ヒマ種を与えるのも やめることにしました。
私が一番恐れるのは、ケージの格子を齧ることによって 前歯が曲がり、サスキアの歯が「不正咬合」(ふせい こうごう)という 危険な状態(不治の病)になってしまうことです。そこで 思いついたのが、ヒマ種は 直接与えず、「爪とぎステップ」の上に 置いておく、という方法です。ケージの近くに行くたびに ひとつを そっと置いておくと、サスキアは ステップに乗った時に、ケージの格子を齧ることなく、静かに食べます。足の爪も削れることでしょう。
爪とぎステップの上で ヒマ種を食べるサスキア
これで一件落着かと思いきや、サスキアは、私が 爪とぎステップの上に ヒマ種を置くのを 見張っていて、置くや否や 飛びつくようになりました。そして天井格子には4本足で掴まって ぶら下がり、格子をガシガシ齧ります。どうも サスキアは「噛みリス」かもしれない、という気がします。季節的には、これから「タイガー期」になる恐れもあります。おまけに この部屋は LDK なので キッチンまで つながっているし、さらに、多くの機器の配線コードやケーブルが 沢山あるので、サスキアを「放し飼い」には 出来そうもありません。昔のような「リスとの共同生活」の夢は、残念ながら、当分の間 おあずけと なりました。
サスキア日誌 ( 2025 /09/ 27 )

● サスキアを「お迎え」したのは 生後1ヵ月の4月14日ですから、もう 生後 半年になります。ネット記事には「シマリスが1年で成熟するペースは、人間でいうと1年で 約8歳年をとるのと同等」と書いてありましたので、サスキアは 人間でいうと、 今4歳ぐらいということになります。「いたずら盛り」というわけです。事実、昨日は トイレハウスを ガチャガチャと動かしていて、ついには 倒そうとして、その屋根を外して 放り出してしまいました。このまま行くと、砂の入った下の部分まで 引っくり返しかねません。
しょうがないなと 手を入れて直そうとしたら、サスキアは 私の手の脇をすり抜けて、またしても部屋に飛び出してしまいました。それから1時間くらい、カーテンを駆け上って カーテンレールや本棚の上を歩いたり、部屋中を歩き回って 自由を満喫していました。そこで ケージを机の脇の床に置いて 扉を開けっぱなしにしておいたら、しばらくして サスキアが、エサを求めて、やっと ピョンと入ったので、 捕らえることができました。そのあと サスキアは 興奮状態にあったのか、東京の日没は5時頃なのに、夜の7時近くまで起きているので、強引に ケージに布をかけて 暗くし、巣箱に入って寝るように仕向けました。

翌朝は いつものように エサの入れ替えや トイレ掃除をし、サスキアを起こしました。ところが そのあと サスキアは、だいぶ遅くなって巣箱から出てきましたが、私が ちょっとでもケージに近づくと パッと逃げて行き、ケージの隅や 巣箱に 隠れます。エサも あまり食べません。昨日一日の行動を よほど深く 反省しているのか、あるいは 私に「お仕置き」でも されることを 恐れているのか、一日中「臆病状態」が続きましたが、私としては、サスキアがケージを齧ったりせずに 静かにしていることを 歓迎しました。それにしても、シマリスは 前日にした事を、そんなに よく覚えているものかと 感心しました。

ヘーゼルナッツの殻を齧る サスキア
● 一般的に、シマリスは ペットのなかでは 比較的 トイレを覚える方なので、その点では 飼育が楽だと言われます。もちろん個体差があるので、トイレがだめな子もいますが、うちのサスキアは 優秀なほうだと思います。それでも 多少の苦労はあります。毎朝 サスキアより早く起きると、まず サスキアのトイレ掃除をします。糞よりもオシッコの処理に手間をくいますので、その事情を書いておきます。
●● その前に、前回の「サスキアの逃走劇と 小型の立体造形群」のページが長すぎましたので、「サスキアのために ケージに設備したもの」の部分を、多少増補して、こちらに移すことにしました。 まずは、サスキアの近況から。 ここをクリック すると「神谷武夫のプロフィール」のサイトの『 サスキアの オシッコ処理 その他 』のページに とびます。 ( 2025 /09/ 01 )
暑中お見舞い申し上げます(インドネシア より 愛をこめて )
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。そのかわりに、映画の DVD の
紹介をします。 今回は、心の温まるような作品を 選ぼうとしました。
半分が 日本映画になりました。 映画の制作順に並べます。 ( 2025 /08/ 01 )

『 東京暮色 』1957年(日)監督:小津安二郎 (1903-63), 主演:笠智衆、原節子、有馬稲子、山田五十鈴、杉村春子,モノクロ・スタンダード作品
今まで この欄では、小津安二郎 の作品を一度も採りあげてきませんでしたが、その理由は、どの作品も、娘を嫁がせる親の悲しみを描いた 同工異曲のものばかりで、その中では 司洋子が主演をした、晩年の『 秋日和 』(1960) が一番好きですが、その あまりのマンネリズムの故に、二の足を踏んでいたのですが、一作ぐらい 採りあげないわけにはいかないと、今から 70年近くも前のモノクロ映画の(『東京物語』ではなく)『 東京暮色 』という作品を 採りあげることにしました。おそらく 小津作品の中では、家族の問題に一番深く切り込んだ、 少々暗い映画ではないか と思います。常連俳優のほかに、若き日の 有馬稲子 と、往年の大スター 山田五十鈴 が出ていることも話題です。映画が 最大のエンターテイメントだった時代、昭和 32年の 多くの日本庶民の 涙を絞ったことでしょう。

『 Love Letter(ラヴ レター)』1995年(日)監督・脚本:岩井俊二 (1963- )、主演:中山美穂、豊川悦司、柏原崇、酒井美紀,音楽:REMEDIOS
岩井俊二の 長編映画監督第1作です。のちの作品群に比べれば 古典的な映画づくりですが、私にとっては、のちの作品群よりも 格段に魅力的です。ひねりの効いた脚本が素晴らしく、タイトルの「ラヴレター」の意味が、最後になって わかります。昨年 亡くなった 中山美穂 が、神戸の女と 札幌の女の 一人二役 を演じているのが、始めは混乱を うみますが。 高校の図書室が舞台の一つになっていて、メインに扱われている本は、プルーストの『失われた時を求めて』です。 韓国 では 今も この映画の人気が高く、北海道への 韓国人旅行者の多い理由の ひとつ と言われます。岩井俊二監督は 25年後の 2020年に、姉妹作と言うべき『ラストレター』を撮りましたが、少々 技巧的に過ぎる印象を受けました。

『 画家と庭師とカンパーニュ 』2007年(仏)監督:ジャン・ベッケル(1933- )主演:ダニエル・オートゥイユ(画家)、ジャン=ピエール・ダルッサン(庭師)、ファニー・コタンサン(妻),原作:アンリ、クエコ
フランスの 老人映画 です。パリで成功した初老の 画家 が、種々の問題から 故郷に帰り、旧家の広い庭を整備するために「庭師」を募集したところ、来たのは 幼ななじみ の、 親子代々の 庭師 でした。思いがけぬ邂逅から、二人は互いを「キャンバス」、「ジャルダン(庭)」と呼び合い、友情を はぐくみ、和やかな カンパーニュ(田舎)の生活を 共にしていきます。大きな筋立ても 劇的な構成も 無いですが、心を温かくしてくれる映画です。原題は "Dialogue avec mon jardinier" 「我が庭師との対話」です。

『 アマンダと僕 』2018
年(仏) 監督・脚本:ミカエル・アース (1975- ),主演:ヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトリエ、ステイシー・マーティン、オフェリア・コルブ
パリの公園で起こった 無差別テロ事件 で 多数の死傷者が出、その死者の中に、7歳の少女、アマンダ のシングル・マザーである サンドリーヌも いました。彼女と とても仲の良かった 弟、ダヴィッド は、ピアノ教師の恋人を失い、大切な右手に傷を負って 郷里に帰り、これから どうしていくか、とりわけ、彼に なついている 姪のアマンダを どうするか、姉の死 を 深く悲しみつつ 悩みます。彼と、その周囲の人々との関係と触れ合いを 淡々と描いた、名人級の映画ですが、監督の ミカエル・アース は 老巨匠かと思いきや、まだ 40台前半の若さでした。

『 モロッコ、彼女たちの朝』2019年(モロッコ、仏、ベルギー) 監督・脚本:マリヤム・トゥザニ (1980- ),主演:ルブナ・アザバル(アブラ役)、ニスリン・エラディ(サミア役)、原題は『アダム』(生れる子供の名前)
モロッコの女流監督 マリヤム・トゥザニ (Maryam Touzani) が 撮って、アカデミー賞 国際長編映画賞を取った 女性映画 です。モロッコの大都会 カサブランカ の片隅(メディナ)で、生きるのに窮した 元・美容師の サミアは 妊娠していて、出産したら すぐに養子に出そうと思っていますが、彼女に宿を提供してくれたのは、やはり シングルマザーで、街で小さなパン屋を営んでいる アブラという女性でした。サミアは アブラのパン作りを手伝い、近所の評判をとっていきます 。 映画の 画像作りは、フェルメール の絵画に 影響を受けた そうで、さもありなん と思わせる 美しい映像です。 予告編は こちら 。

『 峠 最後のサムライ 』2022年(日)監督・脚本:小泉堯史 (1944- ),主演:役所広司、松たか子、仲代達也、香川京子、田中泯,音楽:加古隆,原作:司馬遼太郎
幕末の動乱期を描いた 司馬遼太郎 の長編時代小説「峠」を、「雨あがる」「蜩ノ記」の小泉堯史監督のメガホンで 映画化しました。徳川慶喜の大政奉還によって、260年余りにも及んだ 江戸時代が終焉を迎えた、そんな動乱の時代に、越後 長岡藩 牧野家の家臣・河井継之助 は、幕府側、官軍側の どちらにも属することなく、長岡藩の中立と独立を 目指していました。藩の命運をかけた 継之助の壮大な信念が、幕末の混沌とした日本を変えるでしょうか。小泉監督の「蜩ノ記」に続いて 役所広司が 主人公の継之助に扮し、継之助を支え続ける妻 おすが を 松たか子が演じます。
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古書の愉しみー61 尾崎秀実の『 愛情は ふる星のごとく 』 |

● もう 知る人は 少ないでしょうが、戦後すぐに ベストセラーになった『愛情は ふる星のごとく』という本が ありました。今から ほぼ 80年前の本で、ある死刑囚から 家族に宛てた「 獄中書簡集」という、特異な本です。これも 今では知る人が少なくなってきた「ゾルゲ事件」に連座して、日本が敗戦を迎える直前(9ヵ月前)に 死刑になった、尾崎秀実 (おざき ほつみ) の、獄中から 家族(妻と娘)に宛てた 書簡集です。敗戦の翌年 (1946) に、世界評論社から 上梓されるや、大ベストセラーになりました。 太平洋戦争で 300万人以上が死んで 戦争に負け、日本人が虚脱状態になり、社会も経済も 混乱状態に陥り、モノ不足、ヒト不足のなか、活字に飢えていた人々に、終戦の直前に 絞首刑 になった 理想主義者の、妻と娘にあてた 愛情あふれる獄中書簡集は、干天の慈雨だったでしょう。たちまち人々の心をつかみ、涙を誘い、新しい日本を作ろうという人々の、熱列な支持を受けたのでした。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のサイトの『 愛情は ふる星のごとく 』のページに とびます。 ( 2025 /07/ 01 )
『 コンポジション 』
● ケージを移動させた時、扉のフックがはずれて、少し開いてしまったことに 気が付かなかったので、サスキアはケージから脱走すると、窓のカーテンを這い上がって 天辺まで行き、カーテンレールの上や、隣の本棚の上を歩いたりしていましたが、2mの高さから 怖くて降りられません。1時間半の 捕り物劇で、やっとケージに戻しました。
今回は そのことも さることながら、ごく久しぶりに意識させられた、本棚の上の 小さな立体造形物たちを、昔のことを思い出しながら、紹介しておきたい と思います。 ここをクリック すると「神谷武夫のプロフィール」のサイトの『 シマリスの逃走劇と、小型の立体造形群 』のページに とびます。 ( 2025 /06/ 01 )
生後1か月のシマリス
● 今年になっても シマリスへの「懐旧の情」が収まらず、4月半ばになって、ついに、もう一度シマリスを 飼おう!と 決心しました。シマリスの子供 が中国から輸入されるのは4月が一番多い。たまたま4月13日に ネットで検索したところ、東京郊外の ある ペットショップ に、シマリスが2匹入荷したと書かれていて、まあ リーズナブルな価格だと思われたので、翌日の14日に そのペットショップに行って、何十年ぶりかで 本物のシマリスを まじかに見て 感無量となり、1匹を確保しました。 成人シマリスは 体重が100グラムぐらいなのですが、このリスは まだ 生後1ヵ月なので、わずか 45グラムです。 ここをクリック すると「神谷武夫のプロフィール」のサイトの『 シマリスよ、君の名は「 サスキア 」だ 』のページに とびます。 ( 2025 /05/ 01 )
●● だいぶ前から、コメの価格高騰 が 毎日、ニュースで報じられ、今度は 農水大臣の「バカ発言」で 大騒ぎしています。私は パン食派なので、この問題については 脇目で見て来たのですが、いったい 何故 こんな事態に なっているのかは 不思議に思っていました。それが、今日 偶然に、昨年8月の 毎日新聞の記事 ということですが、キャノン グローバル 戦略研究所の 山下一仁・研究主幹への インタビュー記事『 不作でも インバウンドでもない、コメが 買えない「本当の理由」』を読んで、騒動の 根本原因を 理解しました。私のような パン食派の人たちにも、ぜひ読んでもらいたいと 思います。 ( 2025 /05/ 20 )
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古書の愉しみー番外編 『 宝石本 わすれなぐさ 』 |

● 今月は、「古書の愉しみ」の 今採りあげている本についての記事が、関連本を あれこれ読んだり、昔読んだ本を 読み返したりしていると 時のたつのを忘れて、次々と読みふけってしまい、4月1日に 間に合わなくなってしまいそうになったので、急遽、まったく別の本について小文を書いて、「古書の愉しみ」番外編 とすることに しました。 それは、北原白秋の ある詩集に まつわる、博識な古書探求家・小寺謙吉が書いた「書物奇譚」です。古書の好きな方には お勧めの、興深い本です。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のサイトの番外編『 宝石本 わすれなぐさ 』のページに とびます。 ( 2025 /04/ 01 )

● 「自由学園」と聞けば、建築関係者ならすぐに、フランク・ロイド・ライトが設計した、東京・池袋の「明日館(みょうにちかん)」を 思い浮かべることでしょうが、現在 教育施設としての自由学園のキャンパスは、東京の西郊外の 南沢に、帝国ホテルの工事半ばで ライトがアメリカに帰国したあと、独立した 遠藤 新が 設計したものです。その後 息子の 遠藤楽が受け継いで 図書館や幼稚園などを設計し、またその他の施設も建てられましたが、最初期の、遠藤新の手になる建物は 大事に使われて、外構を含めた当初のままの姿が 今も保たれています。2020年に「ドコモモ 日本支部」によって「日本におけるモダン・ムーブメントの建築作品」のひとつに選定もされました。
私は 10年前に 南沢の自由学園の学園祭に行って、撮影をしてきていますので、「世界建築ギャラリー」で紹介しようと思います。ここをクリック すると、「世界建築ギャラリー」のサイトの『 遠藤新 の 自由学園 』のページに跳びます。 ( 2025 /03/ 01 )
● 「猫の思い出」「犬の思い出」「リスの思い出」に続けて、今度は「パソコンの思い出」を書くことにしました。と言っても、パソコンについての 何ら専門的知見でもなく、資料的価値もない、単なる、私とパソコンのつきあいの「パーソナル・ヒストリー」ですので、読むに値するほどのものではありません。パソコン歴が 30年くらいになる私自身が、今まで買って使ってきたパソコンについての記憶が あいまいになってきましたので、それらをきちんと、正確に記録しておきたいと思うようになったのです。ですから これはパソコンについての一般論ではなく、たまたま私が使ってきた、わずかな数のパソコンについての記録でしかありません。私の個人史に興味のない方は、この塙を 飛ばしてください。もしも読もうと言う方がいらしたら、ここをクリック してください。『 私のパソコン年代記 』のページに跳びます。 ( 2025 /02/ 01 )

今年は 大晦日の夜から、バッハの『フーガの技法』を聴きながら
新年を迎えました。 ベルリン古楽アカデミーの演奏による DVDです。
● 年の初めは 新しい記事の代りに、古い映画の DVD の紹介です。
今回は 様々な国を舞台にした映画を6本、
制作年度順に並べます。 ( 2025 /01/ 01 )

●『 赤い風船 』1956年(仏)監督・脚本:アルベール・ラモリス (1922-1970), 主演:パスカル・ラモリス、サビーヌ・ラモリス、シュザンヌ・クルーティエ,撮影:エドモン・セシャン,音楽:モーリス・ルルー, 原題は "Le Ballon Rouge" カラー、36分
今から 70年近くも前の 短編映画ですが、有名な作品なので、映画ファンなら 見ている人が多いでしょう。 ほとんどセリフのない、ファンタスティックな「映像詩」といった感じの作品ですが、この ユーモラスで 詩情豊かな映画を 好きにならない人は、いないと思われます。 ある朝、パスカル少年が 登校途中、浮揚ガスの入った 赤い風船 を見つけ、それをつかまえて学校に行くと ひと騒ぎ。 それからの 種々の小さな騒動をへて、パスカル少年は空へ。 アルベール・ラモリス監督 自身の 小さな息子と娘が出演しています。 これは 36分の短編映画なので、同じくラモリス監督が その3年前に撮った モノクロ 40分の短編『 白い馬 』( "Crin-Blanc" 1953、主演:アラン・エムリー) と合わせて DVDになっています。
ちなみに、この非常に古い短編映画『赤い風船』が 今なお DVDで いつでも見られる幸いに対して、2019年の8月に この欄で紹介した、ソ連時代のロシアの、 ほとんど同じ長さ(37分)の 短編映画で、『赤い風船』の9年後に作られ 「美しい一編の抒情詩」と評された『 ふたり 』(1965年)を、もう一度 見ることができないのは、はなはだ 遺憾なことです。今では『赤い風船』の DVD が 入手しづらくなっているようですから、短編映画の2大傑作として、『赤い風船』と『 ふたり 』を組み合わせた DVDを、どこかの会社が 作らないものでしょうか。

●『 暗殺の森 』1970年(伊・仏・西独)監督・脚本:ベルナルド・ベルトルッチ (1941-2018), 主演:ジャン・ルイ・トランティニャン、ステファニア・サンドレッリ、ドミニク・サンダ,撮影:ヴィットリオ・ストラーロ,音楽:ジョルジュ・ドルリュー,原作:アルベルト・モラヴィア
今から 55年前に、ベルナルド・ベルトルッチ監督が 若干 29歳で撮った、映画美学史上 燦然と輝く傑作です。原題は「Il Conformista (順応主義の人)」で、主人公は政治的 主義主張をもたず、ただ 大勢にしたがって、ムッソリーニの支配するイタリアで ファシスト となり、戦争が終わると 逆に ファシストを糾弾するという、かつての 大方の日本人と同じような行動をとります。原作は アルベルト・モラヴィア の長編小説『 孤独な青年 』で、この主人公に感情移入する人は あまり いないでしょうが、ベルトルッチは これに 二人の美女をからませて、あまり脈絡なく、実に美しい映像、演出、音楽で、映画芸術の 頂点を極めました。

●『 活きる(いきる)』1994
年(中)監督:張芸謀(チャン・イーモウ、1950- )、主演:葛優(グォ・ヨウ)、鞏俐(コン・リー),原作:余華(ユイ・ホア)
黒澤 明監督の名作『生きる』ではなく、今から 30年前に 中国で作られた映画『 活きる(いきる)』です。 旧中国で いい所の若旦那が、博打(ばくち)にうつつを抜かして 家財を食いつぶし、一度は 妻に逃げられながらも、貧困の生活をしつつ 伝統芸能の「影絵」の語り手として、種々の 革命的中国を、節操もなく右顧左眄(うこさべん)、右往左往しながら、細々(ほそぼそ)と、しかし家族と共に たくましく 生きのびた、庶民の哀感をさそう物語です。名匠、チャン・イーモウ監督が 丁寧に描いた名編ですが、中国現代史の 悲喜劇的側面をリアルに描いているためか、中国では 上映禁止になりました。まあ、全編が「皮肉」のようにも見えますからね。とはいえ、日本の庶民が苦難の生活を経て経済大国となったように、中国の庶民は、もっと苦難の歴史を経て、世界第二の大国になったわけです。

●『 もうひとりの息子 』2013年(仏)監督・脚本:ロレーヌ・レヴィ (1964- ),主演:エマニュエル・ドゥヴォス、パスカル・エルベ,原案:ノアム・フィトゥッシ
もしも 18歳まで育てた あなたの息子が、実は 赤ん坊の時に 病院で取り違えられた 他人の子供 だと分かったら、あなたはどうしますか? しかも それが、人種や 宗教まで絡んだ「敵国人」の子供だと分かったら? 一番悩むのは本人でしょうが、脚本も書いた 女流監督の ロレーヌ・レヴィは、誰も悪者には描かずに、ソフトな、楽天的な とさえ言える映画にしています(今から 20年前には 可能でした)。パレスチナ に住むアラブ人家族と、イスラエルに住むユダヤ系のフランス人家族の、それぞれの息子として描かれていて、パレスチナ問題をよく知らない人には 分かりにくい点があるかもしれませんが、現在のパレスチナは、もっと もっと、はるかに悲惨な状況になっています。 予告編は こちら

●『 ぶあいそうな手紙』2019年(ブラジル) 監督・脚本:アナ・ルイーザ・アゼヴェード (1959- ),主演:ホルヘ・ボラーニ(エルネスト役)、ガブリエラ・ポエステル(ビア役)、言語:ポルトガル語、スペイン語
ブラジルの女流監督 アゼヴェードが しっとりと描いた「老人映画」です。78歳で一人暮らしをしている エルネストの生活に、不意に闖入(ちんにゅう)した若い女 ビア と、半 共生生活をすることになります。かなり目が悪くなったエルネストのために、来信した手紙を ビアが読んであげ、返事の口述筆記も してあげます。ネット時代における 手書きの スネイル・メール の やりとりが、準主役だとも言えます。ブラジルの公用語は ポルトガル語ですが、その兄弟語の スペイン語も かなり通じます。老人と若者との 不意の 共生生活というのは 新しい主題ではなく、かつて 同工異曲の映画を見たような 気がしますが、悲惨な老後の話よりは 心がなごみます。描き方が暖かくて、気分のよい コメディです。変な邦題にしたものですが、原題は "Aos Olhos de Ernesto"、「エルネストの 目の中に」という意味でしょうか。 予告編は こちら 。

●『 モーリタニアン 黒塗りの記録』2021年(英・米)監督:ケヴィン・マクドナルド,主演:ジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、ベネディクト・カンバーバッチ,原作:モハメドゥ・ウルド・スラヒの手記
2001年9月11日の ニューヨーク同時多発テロ事件の容疑者として 何人もの中東の人々が捕らえられ、罪名も 証拠も 裁判もなく、キューバにある アメリカの グアンタナモ基地 の 収容キャンプに拘留され、拷問され、虐待され、脅迫され、嘘の自白を 迫られました。首謀者の一人とされた モーリタニア人 の モハメドゥ・ウルド・スラヒ を死刑にするよう、ブッシュ大統領が 検察に圧力をかけます。2005年に 彼の弁護を引き受けたのが、女流弁護士 ナンシー・ホランダーで、彼女の働きと、政府の非道を知った 主任検事の辞職、そしてスラヒの手記の出版によって、14年間もの拘留の後に、ついに釈放され、自由を獲得します。実際にあった事件を映画化したもので、ジョディ・フォスターが 初老の弁護士を演じています。 最近 日本でも、長く 長く、死刑 を宣告され続けていた 袴田巌(はかまだ いわお)さんが、姉の ひで子さんと、弁護士団や 支援者たちの たゆまぬ努力によって、ついに 無実を獲得しました。 予告編は こちら
もう1本は「おまけ」です。2年前に この欄で紹介した映画を、そのまま、もう1度 採り上げて、再録します。 というのは、年末に閣議決定された 今年度の国家予算が、1年前も、今回も、さらに さらに 増え続け、なんと 115兆円(8兆円強が「防衛費」という名の 軍事費)で、その 1/4 の 28兆円を「国債費」、つまり「借金」で 賄おうというのです。 予算は さらに 1、2兆円増えるだろう という見通しですから、借金は さらに 膨れ上がります。 将来 これを 税金で払わねばならない 今の若者たちは、一体 どういうことになるのか。 政治家たちは この映画でも見て、「財政健全化」に 本気で取り組み、予算の「ばらまき体質」を 改め、「借金」を 返済していってほしい。 「日本国家」を 自滅させないために。
たとえば、こういうことです。ある家庭の親が、毎年 湯水のように金を使い、その 1/4 から 1/3 が借金でした。親が死んで、その子供が相続したら、借金の総額が 数億円になっていて、それを、息子や娘が 返済しなければならない、というような構図です。

●『 武士の家計簿 』2010年(日)監督:森田芳光 (1950-2011),主演:堺雅人、仲間由紀恵,原作:磯田道史『武士の家計簿、加賀藩御算用者の幕末維新』(新潮新書)
今年の 日本の国家予算 は 114兆円台だと言います。11年連続で過去最高を更新し、その内 1/3 が借金(公債)です。長年の 自民党政権は 金銭感覚が 麻痺しているので、「財政再建」などというのは お題目だけで、金は使い放題です。私たちの収めた税金だけでは 到底足りず、国の累積 借金残高 は 1,200兆円を超えます。国民一人あたり 1,000万円以上の借金ということです。
江戸時代末期、加賀藩の下級藩士だった 猪山家も 借金だらけでした。後を継いだ 直之が これを立て直すために、家計に大鉈(なた)をふるいます。 今の日本も それくらいのことをしなければ、孫子(まごこ)の代には、国は 破産し、国民は 塗炭の苦しみを なめることになるでしょう(暴動が起きるかも しれません)。 防衛費(軍事費)を 6.8兆円に 増額 などというのは、とんでもない話です。 日本が 軍拡競争に加わるのを 許してはいけない。 ( 2023 /01/ 01 )
( 2025 /01/ 01 )
シマリスの子供 (ChooChoo's Story より)
●5月に「リスの思い出」を書きましたが、それを書こうかな と思いはじめた頃から 毎日、リスを写したユーチューブなどの動画を見ています。「思い出」を書き終わって HP にアップしてからも、昔 飼って 失踪したシマリスへの「懐旧の情」が収まらず、最も可愛い動物は、やはり「シマリス」だなぁ と思います。もう一度 リスを飼おうか とも考えましたが、もう 年齢的に、リスを 最後まで面倒見ることは できないかもしれないので、思いとどまりました。 シマリスへの愛着は 止まりませんが、ネットで リスの動画を見るだけで 満足することにして、毎日1時間ぐらい見たり、そこから 静止画を作ったりしています。動画で見るシマリスたちも、可愛くてなりません。 ここをクリック すると、「神谷武夫のプロフィール」のサイトの『 シマリスへの懐旧の情 』のページに跳びます。 ( 2024 /12/ 01 )

● この本は、前回の『天心全集』のように、帙に入った「和本」です と言いたいところですが、中国の本ですから「和本」ではなく「唐本」か、いや 現代の本なので「古式製本の中国書」と 言うべきでしょう。造本・装幀は『天心全集』とよく似ていますが、本体は1冊だけなので、帙は ずっと薄い。1973年の 初版『魯迅小説挿図集』は、もっと小型の 粗末なペーパーバックでしたが、2002年の再版の時に 大型にして、帙入りの豪華本に仕立てたようです。日本への輸出用だったのかとも思いましたが、それにしては 日本語が全然書いてありません。中国でも人気が高く、その頃には 画家の 范曽(はんそう)も有名な大家になっていたので、国内版だったのでしょう。内容は、『阿Q正伝』や『故郷』や『兎と猫』など、魯迅(ろじん)の短編小説の いろいろな場面を基に、范曽 が描いた、単色の「挿絵図集」です。毛筆であっても、「日本画」とは違った「中国画」が 楽しめます。 ここをクリック すると「古書の愉しみ」のサイトの『 魯迅小説挿図集 』のページに とびます。 ( 2024 /11/ 01 )
●● この「お知らせ」欄に 次の意見を書いたのは、2年半前の 2022 年6月 21日です。
日本の国力が、どんどん落ちています
国力を示す指標は、その国の 通貨 の価値です。黒田が 2013年に日銀総裁に就任してから9年の間に、円は5割も弱くなりました。ドル換算で、90円 だったものが、今や 135円 です。外国から物を買うのに(食料や燃料や原材料を買うために)5割も多く支払わねばならなくなりました。日本の製品は、5割も安く買い叩かれます。途上国に同じ10億円を援助しても、感謝される度合いは5割減です。
日本の国力が5割も落ちたということです。最近の物価上昇の、大きな原因です。コロナのおかげで あまり外国旅行ができませんが、今 旅行に出れば、9年前の5割も高くつくのです。安倍元首相の経済政策は とっくに破綻しているということです。それなのに、黒田 は「家計の 値上げ許容度が高まっている」などと言って 平然としています。円安 を喜ぶのは 大企業だけです。
どんな組織も、トップが長期間 居座っていると、まわりはイエスマンばかりになり、政策変更ができなくなります。黒田総裁は、一刻も早く 退陣すべきです。こうしている間にも、日本の国力は どんどん落ちているのです。参院選を前にした野党の どれひとつとして これを主張しないのは、情けない限りです。 ( 2022 /06/ 21 )
黒田は 2023年春まで 10年間も 日本銀行の総裁に居座り、4月9日に やっと植田和男(東京大学名誉教授)に交代しました。これでやっと 為替が正常化 されるかと思いきや、植田は 黒田の政策を踏襲するばかりで、1年間にわたり、円の価値を いっそう落してゆき、ついに この4月26日には 一時「1ドル= 160円」にまで下落しました(何のために 総裁を代わったのか 分かりません)。
2022年に始まった急激な円安によって 原材料や 燃料や 食料の 輸入価格が高騰し、それが物価の急上昇を引き起こし、そこから 連鎖反応 による諸物価の上昇が 次から次へと続きました。日銀が 「超円安 」を野放しにしているので、物価上昇の悪循環 は 留まるところを知らず、国民が 生活難を訴えても、植田は 平然として、「基調的な物価上昇に大きな影響を与えていない」などと言って、何の手も打ちません。これでは 黒田と 何の変りも ありません。 なぜ、こんな人を 黒田の 次期総裁に 選んだのでしょうか? 不可解です。 日本の国力は 衰えるばかりです(日本の 国際的発言力は 半減し、ロシアや 北朝鮮にさえ バカにされています)。
この絶望的状態を 是正できるのは 首相だけなのに、岸田もまた 何もしません。自民党の「裏金問題」ばかりでなく、この国のシステムは、すべてが 劣化、衰亡しているのでしょう。
(1ドル= 120円 以下に 戻すべきです。 そうしよう という 意志も 能力も 無いのなら、さっさと 辞任してほしい。) ( 2024 /04/ 27 )

● 「古書の愉しみ」の 第26回で 岡倉覚三(天心)の 英文3部作 を採りあげました。岡倉は生前に英文で『東洋の理想 (The Ideals of the East) 』、『日本の覚醒 (The Awakening of Japan) 』、『茶の本 (The Book of Tea) 』の3冊を出版しましたが、和文の本は一冊も出しませんでした。覚三の一周忌に、再興 日本美術院 は その敷地内に「天心霊社」を建てて 彼を神格化し、死後8年目には その全集を出版して、『岡倉覚三全集』ではなく、『天心全集』と名付けました。本名の「覚三」よりも雅号の「天心」のほうが 彼を偉大に見せると考えたのでしょう。
昭和 55年 (1980) に平凡社から ほぼ完全な『岡倉天心全集』が出て以来、それ以前の全集は 資料的な価値を失い、まして最初の『天心全集』(1922) など、その写真さえ見たこともない人が ほとんどでしょう。この「古書の愉しみ」では、今から 100年も前に出版された、和本の「全集」の たたずまいに関心があるので、見たこともない人たちのためにも、私の蔵書をスキャンして、ここに紹介しようと思います。ここをクリック すると「古書の愉しみ」のサイトの『天心全集』のページにとびます。 ( 2024 /10/ 01 )
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古書の愉しみー58 リュプケ の『 世界美術史 』 |

● この「古書の愉しみ」シリーズの 最初のほうでは、誰が最初に「世界建築史」の通史を書いたのだろうか、ということを探求して、それはイギリスの ジェイムズ・ファーガスン (James Fergusson, 1808-86) だとわかりました。では、最初に「世界美術史」の通史を書いたのは誰かというと、ドイツの美術史家、フランツ・クーグラー (1808-1858)です。しかし、それを増補改訂するようにして ヴィルヘルム・リュプケ (1826-93) が書いた『世界美術史』が、建築史におけるファーガスンの『世界建築史』のような役割をして、世界中に流布しました。ファーガスンとリュプケの2人とも 19世紀の人で、同じ頃に それぞれ 初版を出版しました。今から160年ぐらい前のことです。リュプケの『世界美術史』が 1860年、ファーガスンの『世界建築史』が 1865年です。ここをクリック すると「古書の愉しみ」のサイトの『 世界美術史』のページにとびます。 ( 2024 /09/ 01 )
暑中お見舞い申し上げます(アルメニア より 愛をこめて)
● 今月は夏休みなので、新しい記事はありません。
そのかわりに映画の DVD の紹介をします。
今回は 世界の映画を6本ですが、珍しく その半分が 日本映画です。
映画の制作年度順に並べます。 ( 2024 /08/ 01 )

●『 破戒 』1962年(日)監督:市川崑 (1915-2008), 脚本:和田夏十,主演:市川雷蔵, 長門裕之、藤村志保、三国連太郎、岸田今日子、中村鴈次郎、杉村春子,撮影:宮川一夫,音楽:芥川也寸志,原作:島崎藤村(1872-1943)
感涙物。島崎藤村の原作を読んだのは たしか中学生の時で、やはり感涙したと思います。あまりに強い印象を受けたので、国語の試験では、いつも「はかい」を「破壊」ではなく「破戒」と書いてしまって、国語の先生に何度も注意されたのを覚えています。若き藤村が 詩から小説に転向して、最初に書いて 自費出版した 意欲作です(1906)。この 13年後の『新生』という 下らないものには がっかりしましたが。
映画化は 1948年に木下恵介監督によっても なされましたが、この 1962年の 市川崑 監督のものが 最良と思います。市川はこの2年前に幸田文 原作の『おとうと』を撮って 数々の受賞をし、これも 同じ 宮川一夫 の撮影で 美しいモノクロ映画にしています。私としては、前期の『破戒』と 後期の『細雪』が、最高の市川作品と思っています。脚本の 和田夏十(なっと)は、市川監督の妻です。丑松の恋人の 志保を演じた若い女優は、島崎藤村の「藤村」と、役名の「志保」とから、藤村志保という芸名にしたという。

●『 蜂蜜 』2010年(トルコ)監督・脚本:セミフ・カプランオール (1963- ),主演:ボラ・アルタシュ、エルダル・ベシクチオール
トルコの山奥の、森に囲まれた山村での、あまり声の出ない、吃音の少年・ユスフ と その家族(父と母と、たまに祖母)の、自然の中での生活を 淡々と、静かに、非常に静かに描いた作品。付随音楽が一切無く、木々のそよぎや 鳥のさえずり といった 自然の音だけを背景にした、タルコフスキーの映画のような 静謐な、そして人間の心の奥の、遠い魂を描いたような映画です。ユスフ3部作(『卵』2007、『ミルク』2008)の、幼年期に遡った完結編と言いますが、映画としては それぞれ あまり関連の無い、独立した作品です。 予告編は こちら 。

●『 海街(うみまち) diary 』2015年(日)監督・脚本:是枝裕和 (1962- ),主演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず,原作:吉田秋生(コミック)
『細雪』のような 四姉妹の家族の物語、といっても親はいず、誰も結婚していず、4人だけで 古い一軒家に住んでいます)。家族を描いて 小津安二郎にも負けない 是枝裕和 監督の演出が素晴らしく、四姉妹を演じる俳優も、みな適役です。是枝作品の中では、問題作ではないけれど、気張ったところがなく、私は これが一番好きです。
映画を見た数年後に、原作の 吉田秋生(あきみ)のコミック(「海街 diary」全9巻、小学館)を読んだら、これも とても面白かった(こちらでは 末娘の すずちゃんが主人公ですが)。 絵も 非常に うまくて、背景まで 実に ていねいに描いています。感心しました、お勧めです。(映画化されたのは、第3巻まで)

●『 ビッグ・リトル・ファーム、理想の暮らしの つくり方』 2018年(米)
監督・撮影・出演:ジョン・チェスター (1971 - ),出演:モリー・チェスター、愛犬トッド、動物たち、植物、鳥、虫、微生物
ロサンジェルスのアパートに住んでいた ジョンとモリーの若夫婦が、愛犬の鳴き声への苦情のために住めなくなり、思い切って都会生活を離れて、料理家の妻 モリーの理想のもと、市から車で1時間の所にあった 20ヘクタールもの 荒れ果てた農場 を買って、協力者たちとともに、そこを本当の「自然」、多様な動物や植物の住む 「楽園」 "エイプリコット・レイン・ファーム" に変えていく、8年間の苦闘と幸福を記録した、素晴らしいドキュメンタリー映画です。ジョンは もともと映画製作者で カメラマンをしていたというだけあって、映像の美しさ にも 感嘆しました。原題は "The Biggest Little Farm" です。 予告編は こちら 。

●『 新聞記者』2019年(日) 監督:藤井道人 (1986- ),主演:シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音,原案:望月衣塑子 (東京新聞)
政府(内閣府)が 国民をだまして、新設医科大学の名のもとに 生物兵器製造の研究所を作ろうとしている。それを暴いて国民に知らせようとする 女性新聞記者 と、それを隠蔽しようとする官僚との接触と苦悩を描く社会派ドラマ。各種映画賞を総なめにしました。文書改ざん問題 で自殺した赤木さん、安倍元首相の「モリカケ問題」などを もじっています。直接の原作ではないですが、『東京新聞』の勇気あるジャーナリスト 望月衣塑子(いそこ)さんの活動と その著書『新聞記者』に基づいています。主演の新聞記者役を引き受ける 日本の女優が いなかったので、韓国の女優 シム・ウンギョン(沈恩敬)を起用した といいます(母が韓国人、父が日本人のハーフ)。 予告編は こちら 。

●『 MINAMATA ミナマタ 』2020年(米)監督:アンドリュー・レヴィタス (1977- ),主演:ジョニー・デップ、真田広之、美波、ビル・ナイ、国村隼,音楽:坂本龍一
反公害闘争の原点である「水俣病」と、ミナマタを告発した写真家の ユージン・スミスのことを知った アメリカの俳優、ジョニー・デップが 製作を志し、ユージン・スミスの役で主演もしています。起用された監督の アンドリュー・レヴィタスは、アメリカの画家で、彫刻家、映画監督、作家、プロデューサー、写真家という多彩な活動をする人らしい。まあ、アメリカの 正義感に満ちた映画人たちの良心的な映画です。東大助手時代から沖縄大学教授時代まで 水俣病を主とする公害問題を闘い続けた 宇井純のことが出てこないのは、写真集『MINAMATA』(1975) によって水俣病を世界に知らしめた写真家、ユージン・スミス (1918-78) と その妻の アイリーン・美緒子・スミス を描いた映画だからでしょう。レヴィタス監督への インタビュー記事は こちら 。
( 2024 /08/ 01 )
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古書の愉しみー57 『 ヒロシマ 』と『 ピカドン 』
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● 『古書の愉しみ』は 7年前の 第 42回で 『 原爆体験記 』について書きましたが、今回(第 57回)は その姉妹編というべきか、原爆投下後、最初期に出版された本、アメリカ人ジャーナリストの ジョン・ハーシー (John Hersey) が書いた『ヒロシマ』と、丸木位里・俊 夫妻が描いた 原爆絵物語『ピカドン』を中心に、原爆関係の本の若干を ほぼ年代順に紹介します。 前回紹介した、丸木夫妻による『原爆の図』は 大きな 屏風絵のシリーズでしたが、この『ピカドン』は それとは対照的に 小さな袖珍本(しゅうちんぼん)の「絵本」であって、GHQ(連合国軍 最高司令官 総司令部)によって出版禁止にも されたので、あまり 知られてこなかった本です。 その反対に、ハーシーの『ヒロシマ』は アメリカでも 日本でも、ずっと増刷されて 読まれ続けてきたばかりでなく、各国語に翻訳されて 世界的に知られた本です。 ここをクリック すると、「古書の愉しみ」のサイトの『「ヒロシマ」と「ピカドン」』のページに跳びます。 ( 2024 /07/ 01 )
シマリス、チャキーの子供
● 今から 58年も前の 1965年(昭和 40年)、私が大学2年生の秋に、3ヵ月くらいだけ、リス を飼っていたことがあります。愛らしい 小さな シマリス ですが、偶然に飼うことになり、短期間でもあったので、名前も付けていませんでした。「思い出」シリーズのひとつとして、「猫」と「犬」に続いて「リス」の思い出も 書き留めておくことに しました。 ここをクリック すると、「神谷武夫のプロフィール」のサイトの『 リスの思い出 』のページに跳びます。 ( 2024 /06/ 01 )
ガザ 紛争
パレスチナの地図
● この「お知らせ」欄で、今に 再び「 アラブの忠臣蔵 」が起きるのではないかと書いたのは、4年前の 2019 年4月です。危惧したとおり、この 10月に起こりました。近年増加する、イスラエルによるパレスチナへの 植民と蹂躙、それを容認してイスラエルを軍事支援する アメリカへの反撃です。今回の軍事衝突の きっかけとなった 10月7日の ハマスによるイスラエルへの攻撃について、国連の グテーレス事務総長でさえ、次のように発言しています。 ( 2023 /10/ 26 ABC News )
これは、「何もない状況で 急に起こった わけではない」
「パレスチナの人々は 56年間、息のつまる占領下に置かれてきた。自分たちの土地を、(イスラエルの)入植によって少しずつ失い、暴力に苦しんできた。経済は 抑圧されてきた。人々は 家を追われ、破壊されてきた。そうした苦境を 政治的に解決することへの希望は 消えつつある」
砲撃を受ける ガザ市街(朝日新聞デジタル より )
そこで、「 パレスチナの 吉良邸 討ち入り 」が起こりました。「朝日新聞デジタル」11月10日号で、東京外国語大学の黒木英充教授(中東地域研究)は、次のように語り、米国など主要7カ国(G7)の 二重基準と 偽善・欺瞞(ぎまん)を 指摘しています。
「イスラエルは ガザの「民族浄化」のために、住民を強制移動させつつ 爆撃し、生活基盤を徹底破壊して、約1万人を殺害しています。これはすでに 絵に描いたような 国際人道法違反の戦争犯罪です。1948年 国連総会採択の「ジェノサイド条約」に照らして、ジェノサイドに当たる可能性が高い と思います。
ガザ住民の大半は、イスラエル建国以来、その領域から追放された 難民の子孫です。イスラエルは ガザを国際法に反して 占領・封鎖してきました。境界での自由な往来を 許さず、許可した わずかな物資しか搬入させず、さらに今回、水・電気・燃料・食料の全てを 早々に遮断しました。
不法な占領下の人々には 抵抗する権利があります。民間人を拉致・殺害するのは 犯罪ですが、イスラエル軍を攻撃するのは、国際法でも認められた 抵抗権の行使だと言えます。」
● 第2次大戦における、ナチスによるユダヤ人への迫害と虐殺には 満腔の同情をし、彼らの苦難を描いた映画を 時々紹介してきましたが、そのユダヤ人が イスラエルを建国し、かつて自分たちが被った苦難を、いまでは 自分たちが パレスチナ人に対して課しているのには、深い失望と憤りを覚えます。これでは 世界中で、ユダヤ人への共感は薄れるでしょうし、イスラエルに軍事支援するアメリカの バイデン大統領の再選も むずかしくなるでしょう。 ( 2023 /11/ 10 )
現在、世界最大のテロリストは、ロシアの プーチンと、イスラエルの ネタニヤフです。私の心の中でも、「ユダヤ人というのは、非道徳的で 残虐な民族だ」という気持ちが、次第に高まりつつあるようです。 ( 2024 /04/ 01 )
記憶のタロに そっくりな犬(福ちゃん)
● 昨年の秋に、それまで「建築」という静的な芸術の世界に浸っていたのが、ふと 小動物 の世界に関心が広がり、思いもかけず、それに熱中するようになりました。そうしているうちに、昔 うちで飼っていた タロという雑種犬のことを 思い出すことが多くなり、時には 何時間も、タロのことや、あの時代の事を 想起したり 考えたりしているので、それを「犬の思い出」と題するページに 書いて、「神谷武夫のプロフィール」のサイトに乗せておくことにしました。ユーチューブなどの動画のチャンネルに見る、現今のペットの飼い方とは ずいぶん違う、その頃の様子を描いて、「昭和 30年頃の 犬の飼い方」という 副題を付けました。今の ペット・ラバーたちからすれば、驚いたり 呆れたりするようなことが 多いでしょう。 ここをクリック すると、『犬の思い出(昭和 30年頃の 犬の飼い方)』のページに跳びます。 ( 2024 /04/ 01 )
安倍派のパーティー (From Asahi Digital)
● 「私腹を肥やす」という言葉は、近年 あまり聞かなくなったな、そういう「古典的」な「悪徳政治家」は 少なくなったのかな、と思っていたら、あにはからんや、現在の 自民党の国会議員の 大多数が、「私腹を肥やし」てきた「悪徳政治家」だった と言うでは ありませんか。10年も前から続く、自民党の「組織犯罪」というべきものです。これを捜査してきた 検察は、各派閥の 会計責任者 のみを在宅・略式起訴し、真の「悪徳政治家」である 幹部たち は 立件しないという。こんなに 国民をバカにした話は ありません。
私のような世代の人間が 思い出すのは、副総理まで勤めた 自民党の 超大物議員、金丸 信(かねまる しん)です。もう 30年も前のことですが、建設業界その他からの ヤミ献金を5億円も 自宅に蓄えて「私腹を肥やし」ていたことが明らかになり、逮捕されたのです。
朝日新聞の 朝刊漫画、『となりの山田君』(354) では、山田君が ののちゃんに 質問します、
「事故を おこしちゃうことを?」
ののちゃん 「ジコる」
「トラブルに なっちゃうことを?」
ののちゃん 「トラブる」
「モーロクして 善悪の区別が つかなくなることを?」
ののちゃん 「わかんない」
山田君 「カナマる」
と 書かれたものです。
その頃から、いや それ以前から、自民党の体質は 何ら変わっていないのです。議員の誰一人「善悪の区別が つかない」のです。国民を欺いて「私腹を肥やし」ていたことが発覚しても、議員辞職 を しようとさえ しません。
しかしながら、こうした 前代未聞の 醜聞を引き起こした責任の半分は、国民 にあります。自民党 および その議員が 悪いことをしても、わるいことをしても、選挙のたびに 自民党に投票をし続けて、彼らを増長させ、「善悪の区別も つかない」体質に 育てあげてきたからです。 ( 2024 /01/ 21 )
本日 自民党 は、こういう悪徳政治家たちに、最も重くて「離党勧告」することに 決めたそうです。 どこまで 国民をバカにしているのか。 国民をだまし続けていた彼らには、「議員辞職」を求めるのが スジでは ありませんか。党にとどまっていようと、離党しようと、そんなことは どうでもいい。 ( 2024 /04/ 04 )
昭和 23年の 50銭紙幣
● 前回の「犬の思い出」を書いている間、昔のことを あれこれ思い出していた時、父が生前に、名刺用の青いプラスチックの箱をくれたのを思い出しました。その中には 昭和の 戦中・戦後 の 紙幣と硬貨が、わずかな量ですが、たたんで入っていました。特に コレクションをしたというわけではなく、折々に 余った小銭を、なぜか 取っておく気になったらしく、今から見れば珍しい アンティークの「近代日本の お金」です。そんなものを、私なら 多少興味をもってくれるだろう と思って、くれたのでしょう。 机の中を さがしたら 出てきましたので、あまりに少なすぎる分量の「少額貨幣」ですが、物珍しく思う方もいるでしょうから、今回は それらをスキャンして、額面順に、この HPに 載せておこうと思います。 ここをクリック すると「神谷武夫のプロフィール」の中の『 昭和 戦中・戦後の 少額貨幣』のページに飛びますので、興味のある方は ご覧ください。 ( 2024 /05/ 01 )

● 都市史図集編集委員会(代表:曽根幸一)の編集によって世界の歴史上の都市を集めた『都市史図集』が 1999年に 彰国社から出版されました。(B5判,294ページ,ソフトカバー,4,600円 ) その内、私は南アジアの中の 次の3項を書きました。 「インドの宗教都市」 / 「伝統的都市-1,北インド」 / 「伝統的都市-2,南インド」 これらを、「インド建築入門」のディヴィジョンに再録しておくことにしました。 ここをクリック すると「インド建築入門」の ディヴィジョンの 『 インドの古都市図集 』の項に跳びます。 ( 2024 /03/ 01 )
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イスラームの建築種別ー18 「 都市(マディーナ、ミスル)」 |

● 『世界のイスラーム建築』のサイトにおける、「イスラームの建築種別」のディヴィジョンの 第 18回(最終回)は『 都市( マディーナ、ミスル )』です。 イスラーム圏の都市の特徴は何か といえば、モスクをはじめ、この章で採りあげてきた 種々の建築種別を多くかかえていること、としか 言いようがありません。古い都市であれば 歴史遺産を多く蔵しているので、「イスラーム都市」といった趣があります。しかし ムハンマドの時代に ムスリムが住んでいたのは、イスラームが誕生する以前から 連綿と続く都市(マディーナ)だったのであり、イスラーム軍が征服した地に 新たに建設した軍営都市(ミスル)も、それら既存の都市に倣って 作るほか ありませんでした。以前の都市と 異なっていたのは、唯一神 アッラーフを礼拝するための モスク が 市内の主要位置を占める、ということだけです。したがって『クルアーン』にも、「ムスリムのための都市」の あるべき姿の記述は ありません。 ここをクリック すると「イスラームの建築種別」の ディヴィジョンの 『都市 』の項に跳びます。
これで、長く続いた「イスラームの建築種別」のディヴィジョンも、やっと終了しました。と言っても、私家版『イスラーム建築』の第4章を再録したにすぎませんが、これで、あの本の内容の大方は、このサイトで読めることになりました。残る 第5章(「イスラーム建築の特色」)も、いずれ 再録しよう と思っています。 ( 2024 /02/ 01 )

今年は 大晦日の夜から、ラヴィ・シャンカルの『シタール協奏曲』を聴きながら
新年を迎えました。アンドレ・プレヴィン 指揮のロンドン交響楽団です (EMI)。
● 年の初めは 新しい記事の代りに、古い映画の DVD の紹介です。
今回は 諸国の 多様な映画を6本、
制作年度順に並べます。 ( 2024 /01/ 01 )

● 『 残菊物語 』1939年(日)監督:溝口健二 (1898-1956)、主演:花柳章太郎、森赫子、河原崎権十郎、高田幸吉,原作:村松梢風,構成:川口松太郎
往年の日本映画の巨匠といえば、だれでも 小津安二郎 と 溝口健二 の名を思い浮かべることでしょう。その溝口健二監督の出世作が、今から 85年も前の 昭和14年に撮られた、新派悲劇のような日本的情緒の『 残菊物語 』(ざんぎく ものがたり)です。これを見ていると、同時代のフランス映画で、やはり劇場の人々を描いた『天井桟敷の人々』(1945年、マルセル・カルネ監督、ジャン・ルイ・バロー主演) を思い起こさせます。古い白黒映画のロマンスの、東西の双璧と言えるでしょう。五代目 尾上菊五郎(音羽屋)の息子・菊之助と、彼に献身する女中・お徳の物語ですが、1954年の『近松物語』と どちらを採るか 迷いました。日本のヒロイン・お徳 と、フランスのヒロイン・ガランス の違いは、それぞれの国民性に由来するのでしょう。『壺坂霊験記』(1879) の お里と、『居酒屋』(1877) の ジェルヴェーズの対比のように?

● 『 ビフォア・サンライズ、恋人までの距離』1995年(米・墺・スイス)監督・脚本:リチャード・リンクレイター (1960- )、主演:ジュリー・デルピー、イーサン・ホーク、音楽:フレッド・フリス
ヨーロッパを旅していたアメリカ男と、ブダペストからパリへ帰るフランス女が 同じ列車に乗り合わせて 知りあい、その日一日 ウィーンの街を歩きまわって 行動を共にし、饒舌で 他愛ない会話を し続けるだけ。 たいした筋書きもない、文字通りの「 カンバセーション・ピース」ですが、それが とても面白い。この映画の9年後に、同じ監督と同じ2人の俳優が その続編の映画『 ビフォア・サンセット』を撮り、そのまた9年後に さらに続編の映画『 ビフォア・ミドナイト』を撮ります。ごく低予算で これだけ面白い映画を作れる リンクレイター監督の才能に敬服。

● 『 映画 日本国憲法』2005年(日)監督:ジャン・ユンカーマン (1952- )、製作:山上徹二郎(シグロ), 日本国憲法についてのインタビュー・ドキュメンタリー
岸田首相は昨年度の軍事予算(防衛費)を、アメリカの要請に答えて 6.8兆円に拡大し、軍事大国化を推し進め、平和憲法を踏みにじっています。そんな時、もう20年近くも前に作られたドキュメンタリーですが、ジャン・ユンカーマン監督の『 映画 日本国憲法』を見直すのは意味あることです。世界各国の多数の言論人に 意見や思い出を語ってもらっています。インタビュアーは、前に採り上げた『沖縄 うりずんの雨』を後につくることになる ジャン・ユンカーマン監督です。出演者(インタビューを受ける人)は、ジョン・ダワー、C・ダグラス・ラミス、日高六郎、ベアテ・シロタ・ゴードン、チャルマーズ・ジョンソン、ミシェール・キーロ、ジョゼーフ・サマーハ、班忠義(バン・チュンイ)、申惠秀(シン・ヘス)、韓洪九(ハン・ホング)、姜萬吉(カン・マンギル)、ノーム・チョムスキーの諸氏。ジャケットの絵は 奈良美智。予告編は
こちら。

●『 ぼくの大切なともだち 』2006年(仏)監督:パトリス・ルコント (1947- ),主演:ダニエル・オートゥイユ、ダニー・ブーン,原案:オリヴィエ・ダザ
あなたは友達がいますか? それは誰ですか? 本当の友達ですか? あなたが そう思い込んでいるだけで ないですか? そもそも 友達とは何ですか? どうすれば 友達になれるのでしょう? そういう問題に シリアスに (?) 取り組んだコメディで、順風満帆の充実した人生を送っているはずの 中年の美術商 フランスワ は、あんたに 本当の友達はいるのか? と問われて、にわかに 友達作りを始めることになります。 あの『髪結いの亭主』を撮った パトリス・ルコント監督が、腕によりをかけて作った映画です。

●『 消えた声が、その名を呼ぶ 』2014年(独・仏・伊・露・加・波・土) 監督・脚本:ファティ・アキン (1973- ),主演:タハール・ラヒム、シモン・アブカリアン
世界の映画賞を総なめにした俊才、ファティ・アキンは トルコ系ドイツ人の監督、脚本家、俳優で、本来のトルコ語の読みは ファーティフ・アクン です。19世紀初めの オスマン・トルコによるアルメニア人の虐殺(ジェノサイド)にまつわる、声を失った男(父親)の、娘を捜す壮絶な旅を 描いています。昔のトルコ映画、ユルマズ・ギュネイ監督の『路(みち)』を思い出しました。 この『 消えた声が、その名を呼ぶ 』は、ファティ・アキンの前作『そして、私たちは愛に帰る』に続けて、「愛、死、悪に関する三部作」の 最終作となります。 予告編は こちら 。

●『 異端の鳥、The Painted Bird』2018年(チェコスロヴァキア・ウクライナ) 監督・脚本:ヴァーツラフ・マルホウル (Václav Marhoul 1960- ),主演:ペトル・コトラール,原作:イェジー・コシンスキ 『ペインテッド・バード』(2011 松籟社),モノクロ・ワイド作品
ヴァーツラフ・マルホウル監督が 11年がかりで映画化したという、3時間近い長さの、実に衝撃的で、すさまじい映画です。原作の小説は、ポーランド人の イェジー・コシンスキ が アメリカに移民した後、英語で書き、1965年に出版しました。母国ポーランドでは 出版禁止になったそうです。しかし 映画で話されている言語は、舞台の国を特定しないよう、インタースラーヴィク という スラブ系の半・人工言語が使われています。せりふも音楽もほとんど無い、厳しく 禁欲的な映画です。
主人公の少年が どこまでも ひたすら 逃走していく 過程で、人間のもつ 残酷さや偏見、差別や 迫害、暴力、悲惨、卑劣、強欲、その他 あらゆる 悪業 に蹂躙されて、ほとんど口がきけなくなりますが、自らも罪を犯し、それでも生き延びて 成長していく、裏返しの "ビルドゥングス・ロマン" です。高橋和己の 破滅小説も 思い起こさせます。原題の "The Painted Bird" というのは、捕まえた鳥に色を塗って離してやると、群れにもどった鳥は、その異質さゆえに いじめられて死んでしまう、という生態で、この物語を象徴させています。モノクロながら 撮影は実に美しいですが、あまりに むごたらしい場面や おぞましい淫靡な場面の苦手な人には、お勧めできません。監督へのインタビュー記事は こちら。
( 2024 /01/ 01 )
●● 以上を HP にアップした途端に、北陸で大地震が起こり、その詳細がわからないうちに、今度は 羽田空港で 日航機と海上保安庁機との衝突事故が起こり、海外では今日も、ウクライナと ガザで 殺戮が行われ、今年は さらに「悪い年」になるのではないか という予感もします。 災害で亡くなられた方々に、心から哀悼の意をささげます。 ( 2024 /01/ 03 )
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