『 カルパ・スートラ 』 の彩飾古写本、1500年頃  (4B の細密画部分の拡大)
西インド流派 (グジャラート、ラージャスターン) Size= 9.5 x 7cm
フラッシュ光をあてて、金を光らせて撮影。 今では 金が ずいぶんと劣化しているが、描かれた当時は、相当にきらびやかだったことだろう。
細密画は 「髪を毟り取るマハーヴィーラと、それを両手で受けシャクラ神」 を描いている。
マハーヴィーラは 禁欲と無所有の実践および、すべての虚飾と現実的快楽を絶つために、剃髪する。 しかも 剃刀(かみそり)を用いるのではなく、自分の手の 5本の指で抜くのである。 絵画的には、必ず 傍らにシャクラ神がいて、マハーヴィーラが抜いた髪の毛を 両手で受け取る。 シャクラ神とはインドラ神(帝釈天)の別名で、台座に座り、4本の手をもち、頭上に天蓋を戴く姿に描かれる。 菩提樹と天蓋には、小鳥と孔雀が とまっている。